今江選手の好判断と本塁打3発で読売を6タテ
マリンスタジアムのマリーンズ対読売の最終戦を観戦に行きました。朝から雨が降っていたので開催が危ぶまれたのですが、午後から雨量は落ち着きました。
昨年の読売戦は「特別料金」のおかげで外野席観戦でしたが、今年は比較的値上げ部分が少ないため、「定位置」の2階内野自由席バックネット裏にいつもと同じ料金で観ることができました。
そこから外野席を見ると、右翼席はもちろん全てマリーンズファンですが、左翼席も3分の1弱がマリーンズファンが占めていました。また、7回裏の風船とばしの時も、三塁側内野席からもかなりマリーンズファンが風船を飛ばしていました。同じ交流戦でも、日曜においてはカープやドラゴンズのほうが、左翼席・三塁側のファンが沢山いました。
試合のほうは渡辺俊介投手と上原投手が先発。今日は風速計の表示は3mなのですが、雨のせいか上空の気流はかなり乱れている模様。それもあって、初回先頭打者の清水選手を右翼フライに打ち取りますが、それが失策となり、いきなり無死2塁となってしまいます。
そこから渡辺俊投手は2死を取りますが、続く李選手に安打され、さらに斉藤選手も遊ゴロに打ち取ったように見えましたが、雨の人工芝で球が滑ったのか、西岡選手が捕りきれずに内野安打となり先制されてしまいます。
一方、初回は安打が出たものの無失点に抑えられたマリーンズ打線ですが、2回に先頭のフランコ選手が右翼席に6号ソロを叩き込んで同点とします。さらに今江選手が歩きますが、犠打失敗などもあり、1死1・2塁としますが、勝ち越すことができません。
直後の3回表、1死から渡辺俊投手が高校時代の同級生である小関選手に安打されます。そして2死後に李選手の打球は右中間スタンドに飛び込みます。当然ながら、二人の走者が生還し、スコアボードに「2」が入りました。
この時、私の目は球が飛び込んだ右翼席のほうを向いており、本塁打の球がスタンドから場内に投げ返され、それをボールボーイが拾っているのをぼんやり見ながら「FAみたいな感じで出て行った選手に打たれたからとはいえ、球を投げ込むのはどうなんだろうか・・・」などと思っていました。
すると、なぜかいきなり一部のマリーンズファンから歓声が上がりました。何事かと思ってグランドを見ていたら、三塁の審判がアウトのコールをし、マリーンズの野手がベンチに戻ります。一応、原監督も出てきますが、すぐに戻りました。そして審判から「一塁走者の小関選手が三塁を空過(くうか・踏み忘れの事)したため、アウト、李選手の本塁打も取り消されます」との事でした。小関選手が三塁を踏み忘れ、アピールによってそのアウトが成立した瞬間にチェンジになる、という形になったようです。とにもかくにも、勝ち越されてがっくりきている中、冷静に小関選手の踏み忘れを確認していた今江選手の大ファインプレイと言えるでしょう。ちなみに、本塁打を打った本人でなく、出ていた走者の踏み忘れによる本塁打取り消しは史上初だそうです。貴重なものを現場で目撃することができました。なお、記録上は李選手の右翼席に入った単打で、小関選手が走塁死、という形になるようです。
この世にも珍しい事件で勝ち越しは免れたものの、マリーンズ打線は、3・4回と三者凡退。一方、渡辺俊投手は4回も二死無走者から2安打と死球で満塁としますが、清水選手を打ち取って何とか凌ぎます。
しかし5回の渡辺俊投手は、前回に続いて2死無走者としますが、そこから李選手に早くも猛打賞となる安打を放たれると、続く斉藤選手にも安打されます。すると読売は5回ながら早くも亀井選手の代打に移籍してきたばかりの木村拓選手を起用。これが成功し、右前に適時打を放ち、読売が今度こそ本当に勝ち越します。
しかし直後の5回裏、先頭の里崎選手が初球を左翼席に叩き込んで即座に同点とします。このあたり、雨が激しく、いつ中止になってもおかしくない感じ。この一発で試合が何とか成立した、という感じでした。しかし、それほどの雨の中ですが、5回裏には花火が開催。最近の花火はすごいものだと驚かされました。
渡辺俊投手は6回は三者凡退で抑え、7回も2死を取ります。ここで雨の降りがさらに激しくなり、ついに一時中断となります。私はラッキーセブンの風船飛ばしはやらないのですが、7回2死という事もあり、周囲はみな風船をふくらませています。ここでの中断にはさぞかし困ったことでしょう。
このまま中断で引き分けかと思いましたが、意外にも雨がおさまり、15分くらいで再開となります。ここで打席は既に柵越えを含む3安打の李選手。中断の影響もあったのか、ここで藤田投手に交代。しかし、今日の李選手の勢いは止まらず、一昨日打ち取られた藤田投手からも安打します。しかし読売ベンチはなぜか続く左の斉藤選手をそのまま打席に立たせます。パでは相当ありえない采配ですが、おかげで三振に打ち取り、事なきをえました。
その裏、この回先頭の大松選手が2-1から右翼席の中堅寄りに8号ソロを放ちます。結果的にこの試合、マリーンズの得点は全て回の先頭打者のソロ本塁打による得点でした。
直後の8回表、先ほど代打適時打の木村拓選手に対し、藤田投手が安打され、犠打で2塁に進まれ、右の代打・矢野選手が出ます。ここで藪田投手不在のマリーンズは防御率0.00で2週間前の読売戦でも好投している神田投手が登板。すると、なぜか木村拓選手が三塁に盗塁し、塁前で余裕のアウト。その直後に暴投があったため、マリーンズとしては、非常に幸運な盗塁指令でした。
これで一気に楽になった神田投手は矢野選手を打ち取り、ここも無得点に抑えます。そして9回表には小林雅英投手が登板。今月に入って一人も走者を出していない小林雅投手が、今日も3人を完璧に抑え、22セーブ目を挙げました。マリーンズは再び交流戦単独首位に。観客数は2万5千1百人ほどでした。
というわけで、マリーンズは読売に6戦全勝で終えました。今日は幸運も味方しましたが、あれも今江選手の冷静な観察によるもの。また、故障欠場者の差も言われますが、それも調整・起用・代役の層の差と言えます。それらも含め、今日は文字通り読売を粉砕した日と言えるでしょう。その瞬間を直接球場で見ることができたのは、非常に嬉しい事でした。
甲子園のタイガース対ライオンズは江草投手と西口投手が先発。初回に金本選手と浜中選手の連続適時打で先制し、続く2回には江草投手自らの適時打で追加点を挙げます。しかし3回に3連打で、4回には自らの失策により無安打で1点差にされると、5回には平尾選手の「恩返し」となる4号2ランで逆転されます。
しかしタイガースは1点を追う6回から藤川投手を投入するという執念の継投。その甲斐あってか8回にシーツ選手に同点適時打が出て延長に。そして11回裏、小野寺投手が1死から連続四球で好機になると、スタメンを外れている今岡選手が代打で登場。期待に応え、サヨナラ打を放ち、タイガースが5対4で勝利し、再び首位に返り咲いています。観客数は4万8千4百人ほどでした。
名古屋のドラゴンズ対ファイターズは小笠原投手と金村投手が先発。2回に稲葉選手の10号ソロでファイターズが先制しますが、そこからは安打は出ますが得点に結びつきません。6回も3安打しますが、盗塁失敗もあり無得点に終わります。するとその裏、ここまで1安打に抑えてきた金村投手に対し、代打で昨年までのチームメイトの上田選手が二塁打で出塁し、さらに牽制悪送球で3塁に進みます。ここで井端選手のスクイズで同点に。しかしそのまま1対1で迎えた9回、先頭のセギノール選手が2試合連続となる10号ソロを放ってこれが決勝点に。その裏はマイケル中村投手が三人で抑え、2対1でファイターズが勝っています。観客数は3万7千5百人ほどでした。
福岡のホークス対スワローズは神内投手とガトームソン投手が先発。1対1で迎えた6回にスワローズが青木選手の適時打で勝ち越します。しかし、7回に松田選手の適時打でホークスが同点に。直後の8回表にスワローズは1死満塁としますが、そこから登板の藤岡投手が4・5番を打ち取ります。するとその裏、ここまで5安打2失点のガトームソン投手に対し、2死無走者から松中選手が右翼席に、続くズレータ選手が初球を左翼席に、ともに13号となる連続本塁打で勝ち越します。そして9回は馬原投手が登板。先頭の古田DH兼監督に安打されるも、後続を抑え13セーブ目を挙げています。これでホークスはリーグ2位浮上、スワローズは交流戦2位に後退となっています。観客数は3万4千3百人ほどでした。
広島のカープ対イーグルスは大竹投手とグリン投手が先発。前回、今回初勝利を果たした大竹投手ですが、初回にフェルナンデス選手の3戦連発となる17号2ラン、さらに続く山崎武選手に4号ソロと連続被弾でイーグルスが3点先制します。その後、カープも栗原選手の12号ソロで1点を返し、3対1のまま中盤に。そして6回表にイーグルスが連打で無死1・2塁とし、そこから連続内野ゴロで2死となった好機がついえたかと思いきや、グリン投手に適時二塁打が出て貴重な追加点を挙げます。
グリン投手は7回を8安打ながら無四球で、失点をソロ本塁打1本のみに抑える好投。以下は小倉投手・福盛投手の必勝リレーでカープ打線を抑え、4対1でイーグルスが勝利。グリン投手は2連勝。またイーグルスはカープに4勝2敗で勝ち越しました。観客数は1万2千8百人ほどでした。
2006年06月11日 23:54