2005年10月31日

「ボビーマジック」ほか

[ 野球 ]

 リーグ優勝および日本一に関する一連の報道でちょっと気になった「マリーンズ用語」をいくつか挙げて解説(?)してみます。

1.ボビーマジック

 プレーオフで勝った時に「マジックなどない」と言い、日本シリーズ終了後も「マジックと言われるのは、マジックのように素晴らしいプレーを見せる選手がいるからだ」と述べているにも関わらず、相変わらず「ボビーマジック」という言葉が使われます。
 昨日のサンデースポーツでも「第1戦で今季一度だけしか二番を打っていない今江選手を二番に起用したら4安打2打点の活躍をした事」を挙げていました。それに対する答えは「堀選手が出れなかったから」という明快なものでした。
 余談ですが、2勝2敗に追いつかれたPO第2S第4戦において、堀選手を9番に、大塚選手を2番に置き、その大塚選手が重要な局面でバント失敗をした時、「なぜそのような打順にしたのか」と一部マスコミが批判しました。なぜかと言われても、ちょっとマリーンズの試合を見ていれば、「小坂選手の怪我のため、ずっと試合に出ている堀選手の負担を少しでも軽減するため」という事は分かります。それに、大塚選手のバント失敗は、吉武投手の守備が絶妙だったという要因もあります。
 これらの基本的な事を認識せずに、同じような事を、結果だけを見てかたや「マジック」、かたや「采配ミス」と論じるのですから、困ったものです。
 なお、この事で思い出すのは、同じく卓越した技術によって、不利な局面から何度も大逆転をし、それが「マジック」と呼ばれた将棋のプロの事です。その方は、ある日、「マジック」について問われた時、「自分はそのような物を使ってはいない。ただ、その局面での最善手を指しているだけだ」と言っていました。バレンタイン監督にとっても、「マジック」とは「彼にとっての最善の采配」であるだけなのでは、と思えてきます。
 まあ、それがあまりにも成功したので、「マジック」に見えるという事なのでしょう。とはいえ、その源泉はは綿密なデータの収集・分析と、それをもとにした判断力という、しごく真っ当なものです。
 いずれにせよ、安易な「マジック」の濫用は勘弁していただきたいものです。

2.YFK

 10月17日にリーグ優勝を決めた途端、急に誕生した言葉です。仮にホークスが優勝していたら、「YMM」とでもなっていたのでしょうか。私は、タイガースの「JFK」もあまり好きではないのですが、まだ一応、既存の言葉にひっかけられてはいます。しかし、「YFK」に至っては、元の言葉すらありません。とにかく、143試合やってきて全然使われたかった言葉を、「マリーンズの誇るYFK」などと安易に使うのはいかがなものなのでしょうか。

3.マリンガン打線

 こちらは、シーズン当初より使われており、かなり定着しています。実際、スタンドでこの言葉を掲示している人もいたような気がします。しかし、いかんせんこれも1998年前後のベイスターズの打線である「マシンガン打線」のパクりであり、新鮮味に欠けます。確かに、2003年のキャンプインの時点では、往時の「マシンガン打線」のメンバーが3人もいましたが・・・。
 その頃のベイスターズの打線を詳しく知らないので、どのくらい共通点があるかは分かりません。いずれにせよ、もっと独自色のある名前を考え出してほしいものです。

2005年10月31日 22:11