ながいけん閣下新作短評2013年

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第三世界の長井・単行本1・2巻

2013/1/16

 2009年に連載開始された「第三世界の長井」が1・2巻同時発売で単行本化されました。
 開始当初は雑誌を買っていましたが、はっきり言って話についていけず、途中から立ち読みに切り替えました。
 現在では、コンビニに行った時、掲載誌を見かけたら立ち読みする、という感じになっています。
 しかしながら、この単行本は迷わずに買いました。

 別に、立ち読みしているうちに面白さが分かった、というわけではありません。
 10代から20代にかけてあれだけ愛読した漫画家の単行本だから買った、というのが偽らざる本音です。仮に全く同じ内容の漫画を違う人が描いても、絶対に買わないでしょう。

 2巻通して読みましたが、特に話が進んでいるわけではありません。主人公である、奇妙な帽子をかぶった少年の正体が判明したくらいです。
 その少年は、かつて「神」だったが、現在はそれを引退した、という設定でした。
 その少年をベースにした、メタ的な世界設定話と、それに振り回されて(?)より異常さを増す「長井」と、彼を襲撃する謎の「宇宙人」との奇妙な闘い、その周囲をとりまく人物、などで話は構成されます。
 もしかしたら、話の主題は「この世の終わり」なのかも、などとも思いました。
 そんな中、時折、ギャグが織り込まれます。その中には、往年の「ながいギャグ」を彷彿させるものがありました。それを見た時は、「面白い」という感情と「懐かしい」という感情が同時に発生しました。

 話は変わりますが、ながい作品にハマった頃、同じように好きだった漫画家さんは何人もいました。
 その人達の中にはいまでも現役な人もいます。しかしながら、かつてあれだけ愛読していたにも関わらず、その人達の作品は買いもしなければ立ち読みもしません。
 そんな中、この作品だけはこのように買ったわけですし、今後も買い続けようと思っています。
 かつての自分にとって、ながい閣下並びにその作品への想い入れは、当時の自分が思っていたよりも強かった、という事なのかな、などと思っています。
 そのような、色々と複雑な事を感じながら2冊の単行本を読み終えました。