今月は、久々で通算4回目のアストロ球団ネタ。思えば、一番最初にやったのは、昨年の12月発売号。その時は、「なんでこれを・・・」という感じがありましたが、その後、テレ朝のナイター中継イメージキャラ(?)を経て深夜ドラマになったわけです。そう考えると、昨年の今ごろにこれを取り上げたのは慧眼と言えるかもしれません。となると、来年の今ごろは「ドッ硬連」あたりが深夜ドラマ化されるのでしょうか。
今回は、人名事典風にして、4人ほどのキャラを紹介しています。軸となるのは話の後半に出てきた敵キャラの「峠球四郎」でした。この球四郎、アストロ戦士の一人でありながら、「ボール型のアザ」だの「沢村の遺志」などを相手にせず、敵チームを結成します。いわゆる悪役なのですが、冷静に考えれば彼のほうがまともだと、長井氏は分析。実際、理論では「アストロ戦士」は彼らに勝てず、主役の球一は彼の主張に対し、「こっち向けー!」みたいな事しか言い返せないようです。もっとも、結局、彼らの世界に入っていってしまったようで、長井氏はそれを残念がっています。
さらにこのキャラに対する冷静な分析も加えています。なんでも、この球四郎というキャラは、自分と対極にいるアストロ戦士などとの戦いを通じ、自分も含めた彼らを俯瞰して見ることができる高みに登ったとの事です。つまるところ、のビクトリー球団編は球四郎の成長物語だったとの事でしょうか。
話に対する突っ込みをしつつ、そのような視点で語ることもできるわけです。改めて長井氏のこの作品に対する思い入れを感じました。
なお、他の「人名事典」は英語を話せないアフリカ系アメリカ人や、アストロ超人たちに仲間と間違えられてテスト(?)され、手首が砕けて再起不能にされたかわいそうな高校球児などが紹介されていました。