3ヶ月前に続き、内面的な事を題材にしていました。今回は「価値観の再構築」みたいな話。具体的な内容は書かれていませんが、何かの事件がきっかけで、これまでの価値観が崩壊したところから始まります。そのような状態の自分を、「根底的な所では強いから大丈夫」と客観視しているしているところが興味深いです。
価値観崩壊中は、「他人のためだけに生きるか」とまで思っていた長井氏ですが、結局復活します。そして価値観を再構築した際に、自分が「長井建」から「ながいけん」になったと自覚します。これについても具体的には「二重人格というほどではないが、考え方の基準が異なる」という説明しかありません。しかし、文脈から見ると、「ながいけん」のほうが、創作活動向けの一面なのか、という気もしました。
少年サンデーで漫画を描いていた頃も、ある日突然、という形で休載となり、再開と休載を繰り返した末に突然終了しました。FRで読切を毎月描いていた時も、「最終回」こそあったものの、その去り方は唐突でした。不思議かつ残念に思っていたのですが、もしかしたら、当時もこのような「ながいけん」と「長井建」の「交代」があったのかもしれません。
そんな事も考えながら、興味深く読みました。できれば、この「ながいけん」と「長井建」の間を自由に調節し、安定して作品を発表してもらえると非常に嬉しいのですが・・・。