コロンブスシティに行くバス
2008/11/16
2006年秋に、幕張本郷駅や海浜幕張駅に、歌手のpuffyを起用したマクハリタマゴなるもの宣伝ポスターが大量に貼られる、という事があった。
ポスターでは何の宣伝か分からず、「マクハリタマゴ」という言葉をWEBで検索する事を促す、という変わった広告だった。そしてしばらくして、それが幕張本郷と海浜幕張の中間地点に建てられる大規模マンションである事が判明した。
それから約2年後、幕張本郷のバスターミナルで、「コロンブスシティ経由・海浜幕張行き」というバスを見た。
幕張本郷と海浜幕張を結ぶバスとしては、最短距離を結ぶ大幹線、通勤時間帯限定で運行される、その迂回版、地元バス会社による幕張町住宅街・イトーヨーカドー経由路線があるので、四系統目となる。
で、この路線の主要経由地である「コロンブスシティ」だが、調べたところ、これがかつての「マクハリタマゴ」だという事が分かった。
「コロンブスの卵」にひっかけたのかとも思ったが、なぜ「タマゴ」が「コロンブス」に変化するのか不思議である。もちろん、コロンブスシティに行く用事などないが、せっかく地元にできた新路線なので、乗ってみることにした。
バスは幕張本郷駅を出ると、大幹線の海浜幕張・マリンスタジアム行きと同じ経路で、幕張西二丁目、幕張西第三公園へと向かう。もちろんバス停も同じ場所にあるが、なぜか本路線専用のバス停標識が新設されていた。
幕張西第三公園を出ると、大幹線のバスは陸橋で東関東道と湾岸道路を越えて幕張新都心に向かう。しかし、このバスは、陸橋には登らずに直進して左折する。すると、本路線の主目的地である「コロンブスシティ」が目の前にそびえる。
かつて、「マクハリタマゴ」という名称で大々的に宣伝していたわけだが、別に卵形の建物があったり、中心街に卵のオブジェがあったりはしない。規模は大きいが、普通のマンション街だ。ベランダでは、初老の男性が洗濯物を干したりしていた。
建物自体は普通のマンションだが、大々的に宣伝しただけあって、規模はかなり大きい。中心部前にあるバス停「コロンブスシティ」はもちろんだが、一つ手前の「浜田一丁目」および、一つ隣の「石油開発技術センター」も、実質的にはコロンブスシティに住む人向けのバス停だ。
そして、バス停三つ分かけてやっと巨大マンション街を抜けて浜田緑地というバス停に着く。そして、右折して東関東道と湾岸道路をくぐり、再び大幹線と合流。幕張新都心のビル街を通り、海浜幕張駅に着く。
さて、幕張本郷駅行きの海浜幕張駅バス停は、ハイテク通り経由幕張本郷駅行きと共用だ。他に、一日に数本しかない八千代台駅行きと、鹿島神宮行きの中距離バスの停留所も兼ねている。
運賃支払い方法は、既存の大幹線と同じで、幕張本郷駅発は下車時に支払い、海浜幕張発は乗車時に支払う。というわけで、乗車時に「幕張本郷駅まで」と言ったら、「道が混んでいるので、向いにあるバス停から乗ったほうが早く着きますよ」と大幹線の乗車を勧められた。
言うことはもっともだが、こちらの目的は、このバスに乗ることなので、そのまま乗った。このバス停を共用している、ハイテク通り経由に乗ろうとした時も、同じ事を言われた事がある。つまり、このバス停は「幕張本郷駅行き」と書いてあるが、幕張本郷に行こうとすると断られる、という仕様になっているわけだ。
さて、バスは海浜幕張駅のロータリーを出るとすぐに、先ほどの経路と別れて右折する。確かに、運転手さんの言うとおりに渋滞していて、カルフールを抜けるまでは、歩くより遅いほどだった。
しかし、カルフールを過ぎると、道はすく。ちょうど、幕張町住宅街・イトーヨーカドー経由路線と続行運転しており、ともに、総合教育センターを通過した直後に、こちらのバスは左折した。
ここからはしばらく、川沿いの道を走る。反対車線にもバス停があるが、これは幕張本郷駅からこのあたりを循環して戻ってくる路線のバス停である。循環経路の中間地点を過ぎているため、バス停の行き先には「幕張本郷駅」と書いてある。つまり、この区間では幕張本郷駅行き同士がすれ違う可能性があるわけだ。もっとも、本路線は1時間に3本で、向こうの路線は1時間に1〜2本しかないから、実際にすれ違う機会はあまりないだろうが・・・。
この、上下とも幕張本郷駅行き、は「市町村アカデミー」で終了し、次の浜田緑地で海浜幕張行きの路線に戻る。
行きと同様にコロンブスシティを抜けるのだが、最後の所で、思わぬ難関(?)がある。浜田一丁目のバス停を出ると、大幹線が通る、東関東道を渡る陸橋がある。この陸橋をくぐる必要があるのだが、そこでの道が一車線の上に入り組んでおり、対向車確認などで、やけに時間がかかるのだ。
そこを何とか抜けると、陸橋脇にある幕張西第三公園に到達する。海浜幕張行方面については、大幹線もここに停まるが、幕張本郷行きは停まらない。これは、陸橋から降りて交差点に行くまでの区間にバス停を設置する場所がないためだ。その結果、このバス停は、海浜幕張方面は一日275本来るのに対し、幕張本郷方面は55本しかないという、おそらくは、日本で最も上下の本数差が多いバス停だろう。
そして、後は大幹線と合流し、同じ経路で幕張本郷に戻ってくる。
ロータリーに入ったら、総合教育センターまで併走していた、幕張町経由のバスのほうが、先に着いていた。向こうもかなり狭い道を走るのだが、コロンブスシティを出て陸橋をくぐる時の入り組んだ道の分、差がついたのだろうか。いずれにせよ、海浜幕張から幕張本郷に行くためにこのバスを使う人はいないのだから、どうでもいい事ではあるが・・・。
海浜幕張行きが新都心のビル街を通るのに対し、幕張本郷行きは、その区間で閑散とした「幕張学園都市」を通るため、同じ路線でも、上りと下りではかなり印象が異なる。乗ってみるなら、海浜幕張からのほうがお勧めだろう。