2003年から2004年シーズンオフのつれづれの野球見物日誌

2004/03/22(月) 提唱する資格
 阪神の久万オーナーが、現在の12球団は多いので、削減が必要という主旨の発言をしたそうです。そして、マスコミは「これまで同様の発言をしていた『盟主・読売』に続き、西の大球団のオーナーも同様の発言をした。これは具体的な動きがありそう」と解説をしています。
 昨年の優勝球団のオーナーである事もあり、なんか、いかにも重みのある発言のように聞こえます。しかし、この球団、昨年の優勝が「18年ぶり」で、さらにその前の優勝は「21年ぶり」なわけです。しかも、その18年間では、Aクラスがわずか2回でした。大量の固定ファンに支えられ、高収益を挙げているのですから、本来は強化に使える費用が十二分にあるはずなのに、この体たらくです。しかも、成績のみならず、選手の処遇にもひどいものがありました。18年前の優勝に大きく貢献した選手たちに冷たい処遇をして退団させた事は、まだ記憶に強く焼きついています。
 確かに、ここ5年ほどは、それまでとは考えを改めたフシはありました。それが昨年の優勝につながった、という事は否定しません。とはいえ、それでかつてのファンを無視した姿勢が肯定されるわけではありません。
 あと、これは読売球団のオーナーに言える事ですが、現在の両球団の繁栄は、彼らの努力などによるものではありません。創設時からの既得権をひきついだおかげです。それで得た「権力」をふりかざして、大所高所にたったような偉そうな発言をするのは、やめてほしいものです。
2004/03/16(火) アテネ五輪監督
 アテネ五輪の監督である長嶋茂雄氏が、脳梗塞で倒れました。やっとリハビリが始まった段階です。ところが、JOCへ提出する1次エントリーは長嶋監督で登録することを決定したそうです。オリンピックは8月ですから、半年前に脳梗塞で倒れた人間を、遠く離れた外国で夏の日差しの中で何試合も監督をやらせるつもりのようです。
 この方針は人道的にいかがなものなのでしょうか。まあ、国威掲揚だのスポンサーの意向など、スポーツと別次元の理論が働いているのでしょうが、それにしても非常識過ぎます。
 しつこいようですが、このオリンピックは、大リーグが早々と所属選手の出場を禁じ、その結果アメリカが予選落ちした大会なのです。そんな試合にプロ野球選手を集めて優勝しても「世界一」でも何でもありません。そのあたりを冷静に認識して欲しいものです。(もっとも、大リーグ選手も出場可で、真の世界一を争う「野球ワールドカップ」が開催された場合、長嶋氏に監督をされると、別の意味で困りますが)。
 長嶋氏に命がけで監督をやらせて、「これが『カローシ』発祥の国である日本の姿だ」などと世界に宣伝するつもりなのか、などとも思ってしまった「決定」でした。
2003/12/04(木) オフの話題いろいろ
1.マスターズリーグの大阪ロマンズの試合を見ていいたら、「1番・センター福間」となっていました。福間選手といえば、タイガースの中継ぎとして1985年の優勝時にも活躍し、年間登板のリーグ記録を作った投手です。一瞬、同姓の別人かと思いましたが、背番号も12で、本人でした。公式サイトを見ると、昨年まで投手として登板しています。なんらかのチーム事情による野手転向なのでしょうか。それにしても、「52歳で野手転向」とはすごい記録です。
2.福間選手同様(?)投打とも活躍したタイガースのムーア投手が解雇されました。2年連続二桁勝利で打率も3割あったと思いましたが、「後半の失速」と「首脳陣とのケンカ」が原因のようです。タイガースでの最後の登板は日本シリーズの最終戦だったのですが、仮にこの試合でホークス打線を抑えて胴上げ投手にでもなっていたら、解雇はなかったでしょう。結果的にはあの試合が「残留テスト」だったようです。ファンへのアピールも巧かった選手なだけに残念です。来期も日本でプレーしてほしいものですが。
3.マリーンズでは1昨年にメッツを解雇され、昨年1年間どこにも所属していなかった小宮山投手の復帰を発表しました。この一年間は、評論家の仕事をしながらも、肩書きを「現役投手」とするなど、現役へのこだわりを見せていました。その意地が実ったとも言えるのでしょうか。ぜひとも、もう一花咲かせてほしいものです。
4.↓で書いたドラフト指名選手のうち、ファイターズに指名されたものの「読売でなければ社会人」と言っていた須永選手が、翻意してファイターズ入団を決めました。まだ、入ったばかりなので何ともいえませんが、ぜひとも「あのときファイターズ入団を決断してよかった」と振り返る事ができるよう、活躍してほしいものです。
2003/11/19(水) ドラフト
 ドラフトが行われました。自由獲得枠の制度ができてからは、「ドラマ」はほとんどなく、話題になるのは「読売(数年前まではダイエーも)にしか行かない」と宣言した選手が他球団に指名されることくらい、です。
 今年も、2年前にその宣言をして、他球団の指名を蹴って社会人に行って自由枠入団した選手・公言した結果、他球団が指名せずに読売が2巡目に指名した選手・その選手のあおりを受けて、他球団に2巡目で指名され、早くも「スカウトの挨拶拒否」を打ち出した選手などが話題になりました。
 読売に入って、そこそこ実績を挙げてもちょっとしたチーム事情ですぐに敗戦処理にまわされ、挙句の果てはオーナーに「ウチはペケやクズばかり取る」などと言われるのが関の山です。いくらカネやTV出演機会がケタ違いだからといって、そこまでこだわる必要があるのでしょうか。
 ちなみに、マリーンズはその中の一人を「強行指名」する予定だったのが、バレンタイン新監督の「特定球団にこだわる選手は・・・」という事で、「12球団OK」の選手を指名する事になりました。こういうのはファンとしては非常に爽快な事でした。
2003/11/14(金) 珍プレー大賞?
 ホークスと台湾選抜の親善試合が台湾の高雄で行われました。ホークスの主力は井口選手と川崎選手くらいで、あとは一軍半から二軍クラス。1日の壮行試合は、そのメンバーに各球団の選手を加えた「プロ野球代表チーム」として全日本選抜に勝ちましたが、さすがにこのメンバーではきついのか、寺原投手が満塁本塁打を浴びるなど、8対1の完敗でした。
 この試合で最も印象に残ったのはホークスの中堅を守った辻選手。フライを帽子を飛ばしてダイビングキャッチしようとしましたが、惜しくも取れず。そのボールが何と飛ばした帽子の下に隠れて(?)しまったのです。ボールを見失ってしまい、探している間に、右翼の荒金選手がボールを「発掘」したために、「帽子の下でランニング本塁打」という自体は危うく避ける事ができました。これが公式戦だったら、今年の珍プレー大賞は確定だったでしょうね。

 ところで、マリーンズの新外国人が一人決まりました。バレンタイン新監督のラインです。1995年の時はフランコ選手・ヒルマン投手といった優秀な選手を連れてきた実績がある(インカビリア選手という負の実績もありましたが)だけに、期待したいところです。
 それはいいのですが、これで外野の補強は完了らしく、FA宣言した村松選手にも冗談のような条件で交渉してあっさり捨てられ、新庄選手獲得からも撤退しました。それほどまでに戦力は充実しているのでしょうか。これでは、獲得するポーズを見せただけの「補強ごっこ」のようにしか見えません。せっかく大金を投じて優秀な監督を連れてきたのですから、選手に対する投資も惜しまないでほしいものですが・・・。
2003/11/7(金) 五輪出場
 アジア大会3試合目。相手の韓国は負けるとオリンピック出場ができなくなります。一方、日本はよほどの大敗をしない限り負けても出場できそうです。とはいえ、日本チームにはそのような慢心みたいなものは感じられず、普段どおりの雰囲気で試合をしていたように感じました。
 3回に先制し、4回に2死満塁のピンチがあったものの、ホークスの和田投手が相手打者を三振に打ち取りました。さらに6回にも追加点を奪い、投げては黒田投手・岩瀬投手・小林雅投手という、「全日本チーム」らしい豪華な投手リレーで韓国打線を完封し、3連勝で優勝しました。
 期待通り接戦となりましたが、正直見ていてあまり打たれるような気がしませんでした。主砲の56本塁打を打った李選手が本調子でなかったのもあるのでしょうが、やはり投手力・守備力の差は大きかったように思われます。

 それにしても、昨日の日本テレビに劣るとも勝らず、今日のTBSの放送もひどいものでした。実際に、9回表終了時点で、失点数の関係から日本の五輪出場は決まっているにもかかわらず、9回裏に「アテネまであと○○」などと叫ばれてもしらけるばかりです。また、勝利が決まった後に、「日本の野球を愛する皆さんは、この試合の事を忘れてはいけません」などと言っていましたが、なんでそんな事を報道関係者に命じられねばならないのでしょうか。
 「国」を看板にすれば、報道関係者は国民に思想を強制できる、というこの発言、どこぞの局の「視聴率捜査」などよりもずっと問題ではないでしょうか。あと、不必要なところまで「長嶋ジャパン」を連呼していましたが、そんな暇があったら、もっと自国・他国を問わず選手の紹介などに時間を割いてほしかったものです。
2003/11/6(木) 台湾に完勝
 アジア大会2試合目。前日は中国相手に13対1と順当に完勝。続いて「アジア3強」の一角の台湾とでした。先発は松坂投手と許投手という「ライオンズ対決」でしたが、許投手は早々にノックアウト。帰宅してTVをつけたら、もう6対0くらいでした。
 結局松坂投手が7回を無失点12奪三振。台湾チームはエラーも4つあるなど、いいところがありませんでした。昨日の対韓国サヨナラ勝ちで燃え尽きたのでしょうが。結局9対0の完勝でした。いろいろな意味で「オールジャパン」が最善のチームとは思っていないのですが、やはり地力の差があったのでしょうか。
 仮に2勝1敗で3チーム並んだ場合は、当該チーム間の失点で決まるそうです。したがって、台湾に9対0で勝っているため、明日の勝敗に関わらず、五輪出場はほぼ確定のようです。いずれにせよ、明日はもっと競った試合を見たいものです。
2003/11/3(月・休) 新監督発表
 マリーンズのバレンタイン新監督が正式に決まりました。マリーンズになってから11年間で唯一Aクラスの実績を持つ人が復帰してくれたわけで、期待したいものです。就任会見では一部日本語を交えて話していました。このあたりにも、やる気を感じました。
 ただ、同じ会見でオーナー代行が「これまで勝てなかったのは監督の意思が選手に浸透しなかった。だからバレンタイン氏にお願いした」みたいな事を言っていたのはどうかと思いました。前任者のような「(ライオンズに連勝を止められて)力の差が分かっただろう」とか、その前の人のような「もっと強いチームでやりたかった」などという意思が選手に浸透されても困りますので。
 あと、コーチの人選も発表されたのですが、期待していた立花龍司氏の復帰がなかったのは残念でした。あと、総数も昨年より1人減っています。人がいればいい、というものではないでしょうが、人員削減みたいでちょっと不安です。
 とまあ不安点もありますが、来期にはかなり期待したいものです。

 また、この日、ホークスの小久保選手の読売への電撃移籍が発表されました。しかも無償トレードですから、形の上では自由契約にしてテスト入団と同じ扱いです。昨年までの主砲相手に不可解としか言いようがありません。球団経営などの事情があるのかもしれませんが、そのへんは情報を公開してほしいものです。
 あと、この移籍に関して、読売の上原投手が「すごいですね。各チームの4番を集めて」と皮肉交じりに話した。そうです。代理人交渉問題などでも球団と対立している事もあるのでしょうが、なかなかユニークな発言です。しかし、そのような感覚を持ちながら、なんでこの人、読売なんかを逆指名したのでしょうか。不思議です。
2003/11/1(土) 壮行試合
 五輪日本代表チーム(長嶋ジャパン)と、ホークスを中心とした王監督率いるプロ野球代表チームの壮行試合を見ました。両チームともタイガース・マリーンズの選手が各1名なのは同じですが、スタメンに福浦選手と藤本選手がいる以上、当然「プロ野球代表チーム」を応援しながら見ていました。
 寺原投手が3者凡退の立ち上がりを見せる一方、全日本はいきなりライオンズの松井選手のエラーで始まり、四球もからんで1失点。ブルーウェーブの谷選手の本塁打で追いついたものの、読売の木佐貫投手がバファローズの磯部選手に2ランを打たれ、結局そのまま試合は3対1で「プロ野球選抜」が勝ちました。
 1昨年の優勝チームであり、その後もAクラスを維持しているにもかかわらず、全日本に誰も選ばれなかったバファローズの選手が決勝打を放つというのがいいですね。ちなみに最後に投げたのはホークスの佐藤誠投手で、「今季初セーブ」を挙げています。
  この試合だけでは評価はできません。しかしながら、この「全日本」はまだ「チーム」になりきれていないのでは、とは思いました。とりあえず札幌でのアジア大会は頑張ってほしいものです。ちなみに私は「ガンバレ日本」ではなく、「アジアの野球を楽しむ」という視点で見物するつもりですが。

 なお、そのアジア大会も準決勝リーグが始まっており、前評判通り、中国が決勝リーグ入りしそうな感じです。予定だと5日に日本チームと対戦する事になりそうです。
2003/10/30(木) 去就
 タイガースの広沢選手の引退記者会見がありました。日本シリーズ最終戦の9回表2アウトから本塁打を打ったのを見た時は、試合の大勢が決しているにもかかわらず、自然とガッツポーズが出るほど喜んだものでした。あれがプロ最後の打席だったとは・・・。まだまだやれると思えるだけにちょっと寂しいものがあります。
 また、マリーンズがシコースキー投手・ショート選手・メイ選手の解雇を発表しました。中継ぎの柱として活躍し、腕を回すなどのパフォーマンスで場内を沸かせたシコースキー投手の退団はかなり意外かつ残念です。数字を残せなかったショート選手と夏以降は二軍暮らしが続いたメイ選手の退団は仕方ないと言えるかもしれません。
 結果的にショート選手の最後となった試合は中継で見ていました。リードされている試合の終盤、追い上げムードの中で1塁走者だった彼は次打者の内野ゴロに対し、併殺を防ぐためのスライディング。このとき肩を痛めて退場し、それが最後となりました。解説者も絶賛していた闘志溢れるプレーでした。あのプレーが見れなくなるのは残念です。新天地でも頑張ってほしいものです。
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