2003年10月後半のつれづれの野球見物日誌

2003/10/30(木) 去就
 タイガースの広沢選手の引退記者会見がありました。日本シリーズ最終戦の9回表2アウトから本塁打を打ったのを見た時は、試合の大勢が決しているにもかかわらず、自然とガッツポーズが出るほど喜んだものでした。あれがプロ最後の打席だったとは・・・。まだまだやれると思えるだけにちょっと寂しいものがあります。
 また、マリーンズがシコースキー投手・ショート選手・メイ選手の解雇を発表しました。中継ぎの柱として活躍し、腕を回すなどのパフォーマンスで場内を沸かせたシコースキー投手の退団はかなり意外かつ残念です。数字を残せなかったショート選手と夏以降は二軍暮らしが続いたメイ選手の退団は仕方ないと言えるかもしれません。
 結果的にショート選手の最後となった試合は中継で見ていました。リードされている試合の終盤、追い上げムードの中で1塁走者だった彼は次打者の内野ゴロに対し、併殺を防ぐためのスライディング。このとき肩を痛めて退場し、それが最後となりました。解説者も絶賛していた闘志溢れるプレーでした。あのプレーが見れなくなるのは残念です。新天地でも頑張ってほしいものです。
2003/10/28(火) 日本シリーズ総括
 というわけでタイガースは敗退。星野監督は有終の美を飾る事はできませんでした。勝敗だけを見ると3勝4敗です。とはいえ、得失点差で見ると19点もあったわけですし、この7試合だけを見れば「力負け」と言えるのかもしれません。
 日本シリーズの勝因・敗因を語るときによく言われるのが「鍵となる選手を抑える」です。そういう点では、赤星選手が封じられたのが大きかったでしょう。また、甲子園では大活躍した金本選手も、福岡ドームではほとんど打てませんでした。このあたり、ホークスの研究がかなり功を奏していたのかもしれません。
 また、今期のタイガースの強さの一つに選手層の厚さがありました。それまで四番だった浜中選手が負傷欠場しても、代役の檜山選手が打ち、檜山選手が欠場したら、今度は八木選手や広沢選手が打つ、といったところです。しかし、このシリーズではその厚みが生かせていなかったような気もします。浜中選手の12打数1安打や、久慈選手の出場機会ゼロなどがそれを象徴しているでしょう。
 一方、ホークスでは村松選手の代役として出てきた出口選手がきっちり役目を果たすなど、厚みを生かした戦いをしていたように思えます。

 とはいえ、今岡選手・赤星選手・金本選手の1・2・3番と、井川投手・伊良部投手・ムーア投手・下柳投手(+怪我でシリーズに出れなかった藪投手と久保田投手)のローテーションに、安藤投手・リガン投手・吉野投手・金澤投手の中継ぎ、ウイリアムス投手の抑えでシーズンを勝ってきたわけです。それらの選手を起用して負けてしまったのだから、仕方ないと言えるでしょう。もちろん、タイガースファンですから、負けるより勝つほうが嬉しいに決まっています。とはいえ、今回の負けは、かなり納得のいった敗戦でした。
 とにもかくにも、この一年間、野球を楽しませてくれた星野監督をはじめ、球団のすべての方々(別の意味で楽しませていただいた田淵コーチも含む)には、心よりお礼を言いたいです。
2003/10/27(月) 日本一ならず
 3勝3敗でむかえた、日本シリーズ最終のホークス対タイガース戦。先発はムーア投手と和田投手でした。第3戦と同じ組み合わせで、その時は両者1失点で延長戦でタイガースがサヨナラ勝ちしています。
 この試合でもムーア投手の立ち上がりが悪く、1回に松中選手の2点タイムリーで先制を許してしまいました。2回は立ち直りを見せたものの、3回に井口選手に2ラン、城島選手にソロ本塁打を浴びてしまいました。まさしく「百打点カルテット炸裂」といったところでしょうか(バルデス選手は今日は打てませんでしたが)。
 投げては和田投手がソロ本塁打2本にタイガース打線を抑えました。特に、ここまで4本塁打だった金本選手を完全に抑えたのが大きかったでしょう。
 とはいえ、大勢決した後とはいえ、終盤には吉野投手が相変わらず好投、ウイリアムス投手も4・5戦に続いてホークス打線を完璧に抑え、9回2死から、41歳6ヶ月の広沢選手がシリーズ最年長となる本塁打を放ってくれました。
 タイガースファンですから、負けたので当然悔しいです。とはいえ、いい日本シリーズだったと思います。
2003/10/26(日) 最終戦に
 今日はかなり重要な用事があったため、日本シリーズは見れませんでした。先発はまさかの伊良部投手で、やはり打たれてしまいました。まあ、私が見れない時に日本一を決めなかった、という配慮(?)だったと勝手に思うことにしています。
 明日の先発は井川投手でしょうか。個人的にはオーダーは通常通りにして9番DHムーア選手にしてほしいものです。延長などになって投手が尽きたら当然登板するわけです。あと、広沢選手もベンチ入りさせてほしいものですが・・・。
2003/10/24(金) 甲子園3連勝
 日本シリーズ第5戦のタイガース対ホークス戦。やはりタイガース下柳投手対ホークス斉藤投手の投げあいとなりました。タイガースが金本選手の2打席(3打数)連続の本塁打で先制するも、直後にホークスもバルデス選手の2ランで逆転しました。
 その後は投手戦となりましたが、6回2死から2安打と四球で満塁にした後、四番の選手会長檜山選手の逆転タイムリーで逆転。その後も今シリーズ好調の吉野投手、さらにはこれまで良くなかったリガン投手・安藤投手がホークス打線を抑え、最後はウイリアムズ投手が完璧な投球で逃げ切りました。ウイリアムズ投手は、昨日とあわせて、打者10人に対し1四球のみの無安打。ホークス打線は完全に打ちあぐねているようです。
 これで3連勝で3勝2敗となり、18年ぶりの日本シリーズ制覇まであと1勝としました。とはいえ、日曜からはまた福岡ドームでの戦いなので、まだまだ何とも言えません。ホークスは第2戦でタイガース打線をほぼ完璧に抑えた杉内投手、タイガースはシーズン後半から不調が続き、第2戦でもKOされた伊良部投手よりも、秋に復帰してから好成績を挙げている福原投手のような気がします。
2003/10/23(木) 連続サヨナラ勝ち
 日本シリーズ第4戦のタイガース対ホークス戦。土曜の時点では今日は井川投手かと思っていました。しかし、一日流れたので、今日は下柳投手で明日が井川投手だと思っていたのですが、意外にも井川投手の先発でした。序盤は檜山選手・片岡選手のタイムリーや金本選手の2試合連続本塁打でリードするも、7回に井川投手が打たれ、安藤投手の押し出しで同点。さらにまずい守備もあり8回に逆転されました。
 これはまずいと思って見ていたその裏、シリーズではリリーフにまわっている新垣投手が登板。金本選手が四球で出塁。次の檜山選手は三振に打ち取ったのですが、このとき、ゲスト解説のスワローズの高津投手が「このモーションだと金本選手に走られるかもしれない」と危惧。その言葉通り、次のアリアス選手の打席で金本選手が盗塁しました。これが非常に大きく、直後にタイムリーが出て同点となり、二日連続の延長戦となりました。
 そして延長に入って10回裏、1死からまたもや金本選手が右翼席にライナーで本塁打を撃ち込んで勝利。2試合連続のサヨナラ勝ちで対戦成績を2勝2敗に戻しました。もちろん、最大の功績はこのサヨナラ本塁打です。しかし、それと同じくらい、逆転された直後に四球を選び、ほとんど知らない新垣投手の弱点を見抜いて盗塁を決めたのも大きいと言えるでしょう。さすがは3割30本30盗塁を決めた選手です。また、前後しますが、9回表の1死3塁から登板して、ピンチを切り抜けたウイリアムス投手の好投も光っています。
 これで五分、明日は勝ったほうが日本一まであと1勝となる大きな試合です。タイガースの先発は下柳投手だと思われます。ホークスは斉藤投手が出てくるのでしょうか。
2003/10/22(水) サヨナラ勝ちで1勝目
 日本シリーズ第3戦のタイガース対ホークス戦。先発は7月10日を最後に勝星のなかったムーア投手です。第2戦で13点とったホークス相手に、初回にいきなり3安打で失点しました。相変わらず流れが悪いかと思われましたが、それ以降は7回まで無失点でした。また、和田投手相手にチーム初安打も放ってくれました。さらに二番手の吉野投手も3回無失点とホークス打線を抑えてくれました。
 打つほうは、金本選手のソロ本塁打で同点。そして10回裏に篠原投手から藤本選手が犠牲フライを打ち、サヨナラ勝ちでシリーズ1勝目を挙げました。とはいえ、チーム全体で4安打。相手がナンバー2の和田投手とはいえ、ちょっと寂しいものがあります。明日は、シーズン半ばまでよく見る事ができた集中打を久々に見せてほしいものですが・・・。

 ところで、スタンドを映す画面で、ホークスのマスコットキャラクターを悪意的に描いたり、ホークスやファンに失礼なプラカードを出して「応援」している連中が出ていました。初戦に福岡で先発した井川投手は、自身のサイトダイエーの応援もすごかったのですが、ヤジもなく、すごくフェアな応援だったと野手の方が言っていました。とホークス応援団を称えていました。もちろん、ごく少数派の連中によるものなのでしょうが、このプラカードを見たとき、「シリーズの勝敗はともかく、応援ではまだ大差をつけられている」とタイガースファンとして悔しく思いました。
2003/10/21(火) 中止
 日本シリーズは雨のために中止でした。一日ずつずれるそうですが、という事は土曜日が移動日ということ。ちょっと残念な気もします。
2003/10/20(月) 日本人MVP?
 仕事が休みだったので、朝からワールドシリーズの2回戦の中継を見ていました。1回裏にいきなり好機に松井選手が登場、0-3からの4球目をライナーでバックスクリーン(?)に先制3ランを打ちました。とりあえず貴重なものを見ることができてラッキーでした。試合もヤンキースが快勝でした。
 ちなみに、自分はユニフォームのデザインと、ブルーウェーブの打撃コーチ就任が決まったレオン氏の息子さんがいる、という理由で基本的にはマーリンズを応援しています。もちろん、松井選手も応援していますが。
2003/10/19(日) 記録的大敗
 日本シリーズ第2戦のホークス対タイガース戦。先発はタイガースが伊良部投手で、ホークスが杉内投手でした。シーズン後半の両投手の勢いの差が出たような感じになり、伊良部投手は序盤で5失点KO、一方の杉内投手は8回まで無失点・5安打無四球で3塁を踏ませない投球でした。また、終盤に登板した金澤投手も乱調で、あわせて13失点。13対0は完封試合での最多得点差だそうです。
 まあ、負けるなら5対4でも13対0でも同じわけで、これだけの惨敗だと、逆に気持ちを切り替えて甲子園での第3戦に臨めるのではないでしょうか。
2003/10/18(土) サヨナラ負け
 日本シリーズ第1戦のホークス対タイガース戦。先発は予想通り、タイガースが井川投手にホークスが斉藤投手でした。日本シリーズでの「20勝対決」は、1972年のブレーブス山田久志投手対読売の堀内投手以来だそうです。
 しかし、井川投手は5回を投げて9安打2四死球、一方の斉藤投手も6回2/3で4安打6四死球と、ともに本来の投球ではなかったようです。しかしながら、ともに悪いながら3失点で抑えたのはさすがと言うべきかもしれません。悪意的に言えば「両チームとも拙攻」なのかもしれませんが。
 あと、井川投手の降板がちょっと早かったのは、中四日で第5戦に登板させるためだと思われます。一方、斉藤投手は中6日で第6戦に登板する感じです。
 というわけで、試合は接戦となり、同点でむかえた9回裏に、ズレータ選手のサヨナラ安打で決着がつきました。結果的に負けはしましたが、いい試合だったと思います。

 ただ、NHK-BSの中継は色々な意味で疑問が残りました。アナウンサー氏はデータを重視するのはいいのですが、機械的に解釈して、ここまで3打席2四球だった片岡選手の4打席目で「ここまで片岡選手は無安打。3・5・7番が無安打と打線が切れています」などと言っていました。
 また、構成している人もホークスを知らないのか、ズレータ選手のヒーローインタビューで、決めゼリフの「福岡、最高バイ」の音声を入れず、さらに「勝利の花火」の直前の福岡ドームが暗くなる瞬間に、放送室を映していました。
 そして極めつけはゲストに長嶋氏を呼んだ事でした。相変わらずの意味不明言語に加え、どうやらタイガースの矢野捕手の名前をご存知ないよう。セーフティーバントを上手く見切ってファウルにしたプレーには「今のは城島くんのファインプレーです」と言い、別のところでは「先ほどのヤダくんの」と言っていました。まあ、かつて自チームの上原投手の名前を覚えるのに一年ちかくかかった人だから仕方ないのかもしれませんが、できれば別の人を呼んでほしかったものです。せっかくの大野豊氏の解説もこれでは興ざめでした。
2003/10/17(金) 勇退
 タイガースの星野監督が勇退して島野コーチとともにGM的な立場でフロント入りするそうです。理由は体調不良とか。確かに、試合中に倒れた事もあったそうなので、仕方ないのでしょう。スポーツニュースやタイガースの公式掲示板を見ていると、「ファンに衝撃」とありますが、実は私はさほど衝撃ではなかったりします。後任候補の岡田コーチの手腕は未知数です。とはいえ、フロントに星野氏が睨みをきかしているのはチームにとっては大きいと思われます。これで、「常勝球団」というわけにはいかないでしょうが、以前よりかなり高い確率で優勝争いを楽しめそうな気がしています。
 いずれにせよ、星野監督には、残りの4〜7試合で「監督として完全燃焼」してほしいものです。
2003/10/16(木)
 スワローズ対カープ戦は今期両リーグの最終戦でした。ラミレス選手が40号を打ち、同率で本塁打王となりました。打点とあわせて二冠です。また、スワローズ自体もこの勝利で同率3位となりました。
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