2003年6月のつれづれの野球見物日誌

2003/6/30 首位攻防
 今日・明日とバファローズ対ホークスの首位攻防2連戦です。帰宅して見たときにちょうどバファローズが3連続二塁打で逆転したところでした。タイガースファンとしては、その3連打に北川選手と星野選手という元タイガースの二人が入っていたのが嬉しいことでした。
 ところで、試合中、アナウンサー氏が何度も「門倉投手の頑張りにこたえるべく打った」と言っていました。確かにここ数試合、門倉投手が投げると点が取れないという印象がありました。さらに後でプロ野球ニュースを見たら、途中の大ピンチをしのいだ時に、かなり力の入ったガッツポーズをしていました。いかに気合が入っていたかわかります。首位攻防らしい、いい試合でした。
2003/6/28 見せるべき試合
 今日のナイターはホークス対ライオンズ戦とドラゴンズ−読売戦でした。片方は2.5ゲーム差の首位対3位、もう一方は首位に11.5ゲーム差離された2位対3位の試合です。しかもライオンズの先発はここまで10勝の松坂投手でホークスはここまで9勝の斉藤投手、優勝争いに重要な影響を及ぼしそうなエース対決なわけです。
 にもかかわらず、地上波の中継はドラゴンズ−読売戦でした。普段なら無視してスカパーを見るのですが、今日は出先で地上波しか見れません。おかげで折角の大一番の中継を見ることができませんでした。
 全TV局が協力(?)して、このような異常な中継体制を組んでいるわけです。ここ数年、野球観戦人口が減りつつあり、よく「いま野球界に求められるものは」などといった番組や記事を見ます。しかし、最大の問題点はサッカー人気でもFAによる人気選手のメジャー流出でもなく、このような体制にあるのだと思います。
2003/6/26 ひいきの引き倒し
 一瞬、日テレをつけたら、読売の鈴木選手がフェンスに達する長打を打ち、三塁への送球がそれたのを見て一気に生還していました。大喜びのアナウンサー氏は「鈴木のランニングホームラン」と絶叫していました。確かに、東京ドームのように柵越えが異常に出やすく、しかも左中間・右中間が浅い球場ばかりで実況をしていれば、「ランニングホームラン」などを見る機会はまずないでしょう。しかしながら、野球放送で給料をもらっている以上、野球用語の基本的な意味くらいは把握してほしかったものです。そういえば日曜には「無死もしくは一死で、一塁に走者がいる場合は『振り逃げ』はない、という事を知らなかったアナウンサー氏もいたようですが。

 もっとも、ひどいのは日テレだけではありません。スカイA(大阪朝日放送系のスカパー)でタイガース戦を見ていたら、3点負けている9回裏二死無走者の時点で、アナウンサー氏は「しかし、今のタイガースは3点差も1点差も同じようなものですから」などと、あたかもここから逆転サヨナラがおきそうなしゃべりをして、解説者を困らせていました。
 視聴者がアナウンサーに求めるのは、妄想に近い個人的願望を聞くことではありません。映像だけでは分からない試合の状況を声によって知ることなのです。この場面は、その時点で登板している永川投手を中心に、カープの野手陣について話すべきだったのではないでしょうか。
2003/6/25 契約条件
 ブルーウェーブのレオン監督は、今年、打撃コーチとして入団しました。それがいきなり4月に石毛前監督を解任された結果「昇格」したわけです。最初に打撃コーチとして契約した時、「もし石毛氏がダメなら、交代する」というのは含まれていたのでしょうか。もしそうでないなら、今ごろ「話が違う」と思っているのではないでしょうか。打撃コーチ就任時には、まさか「2試合連続17失点以上」を食らうほどの投手陣のいる球団の監督をやらされるなんて、思っていなかったはずです。
 しかし、監督とヘッドコーチを解雇して、投手コーチが安泰、というのも奇妙な話ですね。もっとも、本来ならもっと先に解雇されるべきなのは球団社長なのでしょうが。
2003/6/23 力の差?
 まずは昨日の続き。CSのプロ野球ニュースで佐々木信也氏なども言っていましたが、ピンチの時、読売の捕手と内野陣はほとんどマウンドに集まりませんでした。木佐貫投手は人間関係がうまくいっていないのでしょうか。
 対照的に印象に残ったのは、3点差の無死満塁でルーキーの久保田投手が登板した場面。初球か二球目に久保田投手がかなり外れたボールを投げたところで、三塁の片岡選手がマウンドに。そしてロージンバックをつかんで軽く投げて、すぐに戻りました。おそらくは、「ロージンでも持って落ち着け」というアドバイスだったのでしょう。結局、内野ゴロなどで2点は返されましたが、タイムリーは打たれませんでした。

 さて今日はマンデーパリーグ。7連敗中のマリーンズは、7連勝中のライオンズと。マリーンズの先発が今期1勝の渡辺俊介投手なのに対し、ライオンズは今期8勝の三井投手。とまあ、試合前には有利な条件は何一つなかったのですが、打線は効率的に得点し、渡辺投手もソロ本塁打2本のみにおさえ、9対2と快勝で連敗を止めました。
 先週、ライオンズに3タテ食らった時に、山本監督は「力の差」などと言いましたが、まあ勝つときはこんなもんなのでしょうね。マリーンズの選手の皆さんには、これからも「雑音」は気にせずに、伸び伸びと上位球団に挑んで欲しいものです。
2003/6/22 とんだメークドラマやな
 東京ドームで読売−タイガース戦を観戦しました。読売の主催試合を球場で見るのは、18年前に後楽園でバイトしていた時以来です。試合は、プレーボール直後に今岡選手のシングルヒットが清水選手がエラーしてツーベースになり、続く赤星選手の送りバントを清原選手が悪送球してスリーベースになって先制点を挙げるという、まさにドラマみたいなスタートとなりました。開始直後から2打席連続エラーというのは、かなり珍しいのではないでしょうか。
 そして金本選手が本塁打を打ち、あっさり3点獲得。以下、取ったり取られたりで1点差となりましたが、最後はウイリアムス投手が締めて1点差勝ちとなりました。結果的には初回の送りバントのエラーがあまりにも大きかったわけです。清原選手がFAした時、タイガースに来ないで本当に良かった、と改めて思いました。
 今期はタイガース戦のチケット入手は難しそうですので、おそらく今日が最初で最後のタイガース戦の球場観戦となりそうでした。そこで、普段は使わない、「1985年10月16日に使ったメガホン」を持っていきました。9回表までは、普通のメガホンで応援し、9回裏だけそれを使いました。メガホンたちも、読売に引導を渡す瞬間(ずっと前に引導を渡しているような気もしますが)を見ることができて、嬉しかったのではないでしょうか。
2003/6/21 2回目の1イニング10点を支えた人は?
 タイガースの公式サイトには、活躍した選手の談話が載るのですが、たまに打撃コーチの談話も載ります。今日の今岡選手の先制ホームランに対する和田コーチの談話は「たまたまではなく、しっかり意識して右方向に打ったな」でした。おそらく前日だか試合前に今岡選手にそのような指導をしたのでしょう。一方、アリアス選手の本日2本目の本塁打には田淵コーチの談話がありました。こちらは「左肘をうまくたたんで打ち返したね。今まで見たことのない打ちかただ」とのこと。アリアス選手の打撃を見ていない事がよくわかります。
 この二つの談話を並べたところに、サイト製作者の声なき主張を感じてしまいました。それにしても、こんなチーフ打撃コーチのもとで、よくこれだけ打てるものです。
 中継は見れなかったのですが、ゲストの長嶋氏が伊良部投手を「イラベ」と呼んでいたのがネットで話題になっていました。かつて自らのチームのエースの上原投手を、同期入団の野手と混同して「ニオカ」と呼んでいた事を考えれば、長大の進歩と言えるのではないでしょうか。
 ところで、本来なら↑の試合よりずっと注目度が高くていいはずの混戦パリーグの首位を行くホークスの試合がマリンでありました。朝のスポーツ新聞を見たら対するマリーンズ先発の清水直行投手が「小林雅英投手の100セーブがかかっているので、自分は完封するつもりはない」などと言っていました。チームメイトを思いやる気持ちは大切ですが、少なくとも今期これまで2勝8敗の首位チームと対戦する前に言うセリフではなかったのではないでしょうか。
2003/6/20 いろいろと変わる
 バファローズ対ファイターズ戦が終わった後、そのままスカイAをつけていたら、タイガースOBの福家雅明氏が番組案内をしていました。
 この人、1980年代前半にタイガースの投手をやっていました。覚えていることは「チョビ髭を生やしている」と「球は速いがノーコン」の二つです。ある試合では先発したものの、初回からフォアボールを連発し、1イニングももたずに福間納投手に交代させられた事があったほどでした。また、勝運にも恵まれず、8回まで1点に抑えたもの、味方打線が完封されて負け投手、などという事もありました。
 久々に見た福家氏は、髭もなく、髪の毛も半分金髪に染め、やけに若々しい雰囲気がありました。また、テロップを見たらなぜか「福屋」と表記されていました。色々な意味で20年前に私が(勝手に)持っていた印象と全然違う人になっていました。
2003/6/19 試合内容に関係なく・・・
 帰宅してTVをつけると、タイガースは快勝ペースでした。もう一試合は接戦の終盤を演じていました。こういう場合は、普通ならタイガース戦は見ずに、そちらのほうを見ます。しかしその試合は読売戦でしかも日テレ。試合内容・結果がどうなろうと、不快になることは確実です。しかも言う事はだいたい見当がつきますし。したがって、大味な展開になってしまったタイガース戦を見ていました。
2003/6/18 コーチング
 今日はタイガースが中止でマリーンズは試合なし、しかも帰宅時には全試合が終わっていました。そこで先週の話を。
 タイガースの浜中選手は、1ヶ月ほど前の試合中に肩をケガしました。守備はできないほどの状態ながら、打席には立てるという事で代打要員として一軍登録されつづけました。そして先週の水曜に途中出場後守備につきました。その結果、スタメンOK、という事になって続く金曜の試合で先発出場しました。しかしその試合で再び同じ所を怪我してしまい、今度は重症だったために登録抹消となってしまったわけです。
 現時点でのチーム状況は独走態勢。完治していない浜中選手を無理に使う必要など、どこにもありません。極端な話、最初の怪我の時点で登録抹消して治療に専念させてもチームにとってはほとんどマイナスにならなかったはずです。
 このように無理して水曜日に守備につかせたのも、金曜日にスタメンにしたのも、一部コーチ達の強い進言があったためだったそうです。コーチとしては、自分が起用を進言した選手が活躍すればいろいろとメリットがあるのでしょう。もしその試合で浜中選手が打てば「自分の進言のおかげ」と威張れるわけです。しかし「選手を指導する」というコーチとしては、特に若手に対しては、目先の出場より怪我の完治が重要である、という事を選手本人および監督に言うべきだったのではないでしょうか。
 ちなみに怪我の伏線となった水曜日の出場について、翌日のスポーツ新聞でチーフ打撃コーチが「守備には目をつぶって打撃を買う」と完治していない状態での出場を推奨するような発言をしています。守備が満足にできない理由は怪我のせいなのですから、この発言は「怪我に目をつぶって」と言っているようなものです。改めてこの発言を見たとき「チブタ、わりゃ浜中つぶす気か!?」と心の中で叫んでしまいました。(参考ページ

 ところで、読売が札幌で連勝しました。試合の前だか後に、1996年に長嶋監督のもとで11.5ゲーム差を逆転したのが札幌の試合がきっかけだった事から「メークドラマは札幌から」という表示が出たそうです。別にどこから「メークドラマ」を初めても結構ですが、一つ忘れてはならないのは、長嶋監督(当時)が「メークドラマ」と言い出したのは、1996年が最初ではない、という事です。
 この前の年もスワローズに差をつけられながら、長嶋監督(当時)は「メークドラマ」という新語で「逆転優勝宣言」をしていました。しかしこの年は9月9日にスワローズのブロス投手にノーヒットノーランを食らって終戦。試合後、野村監督(当時)に「とんだメークドラマやな」と皮肉られました。
 1996年の読売の逆転優勝が「メークドラマ」だったのは事実なのでしょうが、「メークドラマ」の本当のルーツはこの1995年9月9日の東京ドームだと、私は思っています。
2003/6/17 記録阻止要員?
 21時半頃に帰宅したら、タイガースもマリーンズも終わっていました。そこで唯一やっていたブルーウェーブ対ホークス戦を見たら、まだ7回表でした。スコアを見てみると、なんと11対10でした。しかもそこからホークスが3者連続本塁打を含む猛攻をかけ、なんとこの回10点を取り、21対10としました。なんでも、両チームの合計点の記録は、1940年の阪急−南海戦の34点とか。
 8回の裏にブルーウェーブも1点を取り、さらに無死満塁。「あと2点」と期待して見ていたのですが、ここでホークスは10点差にかかわらず中継ぎエースの吉田修司投手を投入。さすがに格の違いを見せ付けて後続を絶ちました。別に誰を投げさせても試合には勝てる局面だったと思いますが、やはり「記録」を作りたくなかったのかな、などと思いました。
2003/6/16 力の差
 マリーンズ対バファローズ戦をテレビ観戦しました。ここまで27回連続無失点のミンチー投手が先発。相変わらず好調で、5回まで0点で記録を32回まで伸ばしました。ところがなぜか6回になっていきなり3者連続四球を出して犠牲フライで失点し、連続記録を自滅のような形で止めてしまいました。クリーンアップ相手とはいえ、不思議としか言いようのない連続フォアボールでした。
 その後、堀選手の本塁打で同点になるも、最後は延長10回にサヨナラ負け。途中、福浦・清水将・諸積選手らのファインプレーがあっただけに、残念な試合でした。

 ところで、昨日、ライオンズに敗れた後の山本監督のコメントは「自分らの力の差がどれくらいか分かったやろ」だそうです。監督5年目でこのセリフはいったい何なんでしょう。その前の二軍監督時代を含め、「力の差」を生じさせたのはだれの責任か理解していないようです。しかし、こんなコメント聞いたら、これからの対ライオンズ戦における選手の士気にも悪影響をおよぼしますね。
2003/6/15 お立ち台
 マスコミは、今週末を「セリーグの前半戦最大のヤマ場」だの「天王山」などと言っていました。どうせ、来週末の21・22日の読売−タイガース戦でも同じフレーズを使うのでしょう。
 その片隅で「本当の前半戦の天王山」であるホークス−バファローズ戦が福岡ドームで行われていました。方や3連戦開始時点でのゲーム差が9.5、それに対してこちらは0.5。本来、どちらが取り上げられるべき試合かは言うまでもありません。

 とかいいながら、この試合、ホークスがエース岩隈投手から2回に7点を取ってしまうワンサイドゲームになってしまったため、見るのをやめ、マリーンズ対ライオンズ戦を見ることにしました。こちらの試合は、ライオンズが4点を先制し、1点差に迫られた直後に突き放し、最後はダメ押し、と効率のいい攻撃で快勝しました。
 そしてお立ち台にはこの3連戦で絶好調だった新人の後藤武選手とともに、4回のピンチを大ファインプレー(ライトスタンドのマリーンズファンからも拍手が出るほどのプレーでした)で救い、打っても2打点の高波選手が上がりました。今年までタイガースに在籍し、強肩・俊足で試合終盤に活躍しながらも、今期は活躍の場がなく、「外国人選手を取るための支配下選手の枠を空けるために」シーズン中にトレードされた選手です(ライオンズの伊原監督が気に入っていた、という理由ももちろんあるのですが)。
 タイガース時代はスタメンもあまりなく、「サヨナラのランナー」にはなっても「サヨナラ打を打つ」ことはなかった事もあり、なんと10年間でお立ち台はゼロだったそうです。初のお立ち台、本当に嬉しそうでした。

 夜はその「天王山」とやらのタイガース−読売戦を観戦。地上波は本当にCM(しかもサラ金系)が多く、うんざりしました。しかし、試合内容は最近では珍しく、締まった投手戦に。特に下柳投手は6回までパーフェクトでした。「これはもしかして」とちょっと期待したのですが、7回にヒットを打たれて記録達成ならず。さらに味方が無得点だった事もあり、その裏には代打を出されてしまいました。
 結果的には延長10回の裏に片岡選手のサヨナラで決着しました。実はこのとき、「お立ち台は二人かな」と思ったのですが、実際には片岡選手のみでした。普通のサヨナラ試合ならこれでもいいのですが、それまでの「過程」から考えると、下柳投手にも権利があったのでは、とも思いました。

                                      
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