9・Bフレッツニューファミリー

2003/12/14

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 2002年1月にBフレッツのファミリーコースを導入してから約2年経った。とりあえず3Mbpsが標準で出る上に、ADSLのように遅くなる事もないので、特に不満はなかった。
 導入後半年くらいしてNTT東日本が、同じ月額料金で最高速度が10倍の100Mbpsになる「ニューファミリー」を発表した。別に「ファミリー」の環境に不満はなかったが、「月額料金が同じなら取り替えるのもいいか」と思い、問い合わせてみた。すると、「工事代で2万円弱かかります」と言われたので、即刻断念した。
 このニューファミリーの登場の頃から。NTT東日本は各プロバイダと組んで「今Bフレッツを導入すれば工事費無料」などというキャンペーンを始めた。「ならば移行の工事費も」とちょっと期待して詳細情報を読んだら、「ファミリーからの移行は除きます」などと注意書きがあって萎えたものだった。
 まあ、3Mbpsも出ればとりあえず帯域で困ることはない。その後、競争の激化しているADSL業界が「24M」さらには「40M」といったサービスを打ち出してきたが、「どうせ我が家でADSLやっても300kbpsすら出ないのだし」と他人事として捕らえてきた。

 ところが先日、ある動画配信サイトを見る機会があった。そこでは、「最高画質」として、「480×640」くらいのサイズの動画を配信していた。ちょうど、以前から興味のあった作品を販売していたので、サンプル動画を見てみた。すると、表示こそされるが、動きはかなりおかしい。一つ下の「高画質」(360×240)は、TVと同じように動く。
 詳細を見ると、「高画質」は512kbps対応で、「最高画質」は2Mbps対応となっている。回線速度調査サイトでは3Mbps出るので、数字上では帯域が足りないという事はないはずだ。とは思ったが、せっかく光ファイバーを使っているにもかかわらず「最高画質が見れない」というのは冴えないと思い、ニューファミリーへの移行を決断した。
 早速NTT東日本のサイトで申込を行う。これまでのフレッツADSL・Bフレッツファミリーの経験から、工事は1ヶ月後くらいかと予想していた。しかし、申込から数日後にはNTT東日本から連絡が来て、工事は翌週のどこかで、と言われた。結局、サイトで申し込んでから工事までは1週間と1日だった。

 工事の前にすべき事に「ルーターの交換」がある。これまでのルータはWAN側が10BASEーTだったので、これだと仮にニューファミリーにしても最大10Mbpsしか出ない。これでは意味がない。そこで、買い替える事にしたのだが、今のルーターにはプリントサーバーの機能がついており、プリンタから離れたところでパソコンを使っている筆者は重宝している。そこで、現在使っているルーターの後継機を買う事にした。
 2年前に買った時、その10BASE-Tのルーターは1万1千円で売っており、かなり安い上にプリントサーバーまでついていて驚いたものだった。しかしその後継機である、WAN側が100BASE-TX対応で、社内テストで90Mbpsが出たというルーターは5千円弱で売られていた。まあ、その間のパソコンの機能向上と価格低下を考えれば、当然とも言える価格と機能なのかもしれない。
 ルーターを交換するのはニューファミリー開通後でもいいのだが、万が一不具合が生じた時に、原因を切り分けられるという事もあり、先行して交換した。すると、それだけでこれまでの3Mbpsだったのが倍の7Mbps出るようになった。5千円の投資で速度が倍になるのだから驚きだ。しかし、それでも問題となった動画サイトの「最高画質」はきちんと見ることができなかった。

 そして工事日になった。工事といっても、回線終端装置(ONU)を取り替えるだけである。業者の人が2人でやってきて、ONUを取り替え、電話局とやりとりを何回かして、最後にノートパソコンでテストをして、作業は終わった。所要時間は30分である。
 最後に、作業員の人が電話で料金の確認を取っている。最初に知らされていた通り2万円弱だったが、作業員の人は「え?この程度の工事で本当ですか?」という感じで驚いていた。確かに2人で30分で2万円なのだから、ONUなどの機器の料金が仮に1万円したとしても「1人あたり時給1万円」の計算になってしまう。
 その一方で、相も変わらず「新規にBフレッツにすると工事費無料」などと言っているのだから、奇妙なものである。もちろん、早めに加入する事によるデメリットは十分承知してはいる。とはいえ、やはりひっかかるものがあった。

 さて、早速、ニューファミリーで回線速度を測ってみる。すると17Mbpsとの結果が出た。「ベストエフォートで100Mbps」という宣伝文句と比べると全然出ていない。しかし、直前に読んだインターネット雑誌のプロバイダ比較特集のBフレッツ部門で、速いプロバイダの平均値がそのくらいだったので、「まあ、そんなものだろう」という感じだった。
 しかしながら、肝心の動画サイトの「最高画質」は相変わらずきちんと動いてくれなかった。どうやら、回線速度以外の理由があったようだ。そうなると、結局なんのために高い金を払ってニューファミリーにしたのかわからないが、まあ、いつかするつもりではあったし、速くなって困ることはないのでいいか、と思うことにしている。
 あと、ニューファミリーへの変更の際に、プロバイダへの手続きも行ったのだが、いろいろと不備が目立った。また、他社との値段の差が広がっていた事もあり、これを機に変える事にした。そのおかげで、月額料金をある程度節約できることになり、少しは工事費のたしにはなった。
 結論から言えば、半年に一ぺんくらいはプロバイダの状況を調査し、現状のプロバイダ・プランから改善の余地があるかを調べるべきなのだろう。

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