3.メールアドレスに関する悲喜劇

 
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 筆者の仕事で、インターネットを利用してお客さんにサービスをしたり、物を売ったりする事がある。当然ながら、連絡手段は電子メールとなる。
 この場合、メールアドレスというものは本人に記入してことになる。しかし、英語とローマ字と記号と数字が混在しているこの難解な単語はなかなか覚えるのは難しい。さらに頭では覚えていても誤記するおそれすらある。
 その結果、5人に1人くらいの割合で、本人の記載したメールアドレスに送信しても、宛先不明で戻ってくる。もちろん、誤記したには先方なのだが、そのまま放置するわけにもいかない。そこで、誤ったメルアドを分析し、正しいものに「復元」する作業が必要となってくる。以下はその筆者の悪戦苦闘の軌跡である。
 

1.簡単に直せる誤記

 一番単純なのは、誰でも解るようなタイプミスである。たとえば「**.nejp」などとドットが落ちていたり、「ne.jo」など隣のキーを押してしまった場合である。これはさすがに見ただけで解る。
 また、「User Unknown」という不着メッセージがきた人で、本名をもとにメルアドを取得している場合は、@の左の部分からも間違いが推測される。たとえば、「山田」という人のメルアドが「yamasa@***」となっていたら、これは「yamada」の間違いではないか、と推測できるわけである。
あと、たまにあるのは「or→ne」への変更未対応のものである。いまだに「biglobe.or.jp」などと書いてくる人も希だが存在する。おそらくは移行する前にとりあえずメルアドを取得したがあまり使わず、さらにプロバイダからの情報をチェックしなかったのだろう。
 

2.経験により直せる誤記

 仕事に慣れるにつれ、当初は対処方法が理解できなかった誤記にも対応できるようになった。主にプロバイダのサブドメインに関するものについてである。
 一番明快だったのはinfowebである。ここのメルアドは必ず「**@mb.infoweb.ne.jp」となる。しかし、この「mb」を書き忘れたり、@の右側に書いたりする人がいる。完全に間違えて覚えているのか、ある時など「mb」の位置が間違ったメルアドを目の前でスラスラと書いた人すらいた。
 他にも、ocn・dion・odn・biglobeなどのサブドメインはよく誤記されるようだ。一部の書き間違いだったらたいていは対処できるようになった。もっとも、サブドメインを一切書かない人もいる。こういう場合はさすがに対処不能に陥ってしまう。
 プロバイダがメールアドレスを発行した際には加入者に書面でメルアドを伝えるわけだが、サブドメインの説明を徹底し、誤記がおきないように努力していただきたいものである。
 

3.修正のしようがないもの

 このように色々な方法で誤記を修正しているのだが、結局の所解決不能のものがほとんどなのである。特にniftyやinfowebのように英字と数字を組み合わせたユーザーIDをそのままメルアドにしている所の場合、一字でも間違えたらその時点で修正は不可能である。
 ちなみに仕事でメールマガジンを発行しているのだが、そこに間違えたメルアドを登録した人がいた。エラーだったらよかったものの、IDの似ている別人にメールがいってしまい、抗議のメールをいただいたこともあった。
 あと、ローカルのプロバイダでプロバイダ名を誤記されると、これも解決不能である。さらに、本名に基づかないメルアドを取得し、それを誤記する、とういう例もたまにある。
 インターネット上においては、メルアドは住所や電話番号と同じ意味合いを持つ。一文字でも間違ったら連絡不能になってしまう事も少なくない。したがって、誤記は非常に困るわけである。もちろん、個人個人が正確に記載すればすむことではあるが、やはり限界というものはある。複雑なサブドメインを使ったり@の左側を英字と数字の組み合わせにしているプロバイダには、ぜひともメールアドレスの誤記が発生しにくくなるような対策をとっていただきたいものである。

 

4.他人のふりみて・・・

 などと偉そうに書いてきたが、筆者もメルアドの誤記に関して恥ずかしい経験がある。悪い例の一つとして紹介する。
 ある時、ニフティの会員の方にメールの設定を依頼された。普通に設定したはずだったのだが、数日後「メールを送った相手から『返信ができない』と言われて困っている」というメールが来た。そのメールヘッダを見てみたら、「返信先アドレス」のところで、0が一つ落ちていた。これでは確かに返信が届くわけがない。慌てて詫びと修正方法をメールした。
 また、筆者は取得したメルアドは辞書登録している。フリーメールアドレスを取得したときも、すぐに辞書登録した。しかし、それを使った送ったとき、返信がくるはずのメールにも一切返事がこない。念のために辞書を確認したところ、間違ったメルアドを登録していた。
 このようにメルアドの誤記は発生しやすい上に、面倒な被害が誘発されやすい。筆者も気をつけねばと思っている次第である。
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