パソコン買い足しの話
 パソコンを買い足し、従来のものとつなげた際の話です。
1.新マシン購入まで99/06/27
2.機種選定・購入99/07/15
3.設置とトラブル99/08/05
4.反省点99/09/05
 
1.新マシン購入まで

 パソコンを使いだし、いろいろな事をやるようになると、現状のスペックに満足できなくなるのは世の常である。すると当然、新マシン購入に興味を示すようになる。筆者も99年に入ってから、そのような思いを抱くようになっていた。
 しかし、どこにも共通のことだが、新マシンを購入するには、「予算」という重大な関門がある。私の新マシンへの提案も、嫁さんの「金がない」の一言であっさり却下された。さらに、「ならこれから資金を作るから、買うのは来年ね」と、年内の購入申請権まで奪われたのであった。
 そこで筆者も一度は諦め、既存のマシンの維持強化と、来年に備えての情報収集に専念する事にした。
 ちなみに既存のマシンは、97年2月に購入したNECのPC-9821である。いわゆる「98」シリーズ最後の機種で、この次のシリーズからはNECはDOS-Vに規格を合わせ、「NX」シリーズを作るようになった。
 とりあえずこのマシンをあと一年ちょっと使う算段をいろいろ考えてみた。すでにメモリは32MBから96MBに増設してある。最大が128MBなので、これ以上はあまり意味がない。となると、強化案としてはCPUの交換かHDDかMOの増設くらいである。
 まず、CPUの交換だが、筆者程度の技術・経験では確実に行える自信はない。初心者でもできるセットを買うという方法もあるようだが、雑誌を見ると、そういうのはペン2の200MHz台かくらいしかないので、それではさほど効果がない。
 HDDの増設は有力であった。既存のマシンのHDDの残りは200MB前後で、画像を扱ったりすると、相当辛い。すでに、新たなもののインストールには相当気を遣わざるをえない状況だった。
 しかし、向こう何年も使うならともかく、一年ちょっとで新しいのを買うつもりでいる以上、増設の意義が感じづらかった。その時点で、新製品は最初から10GBくらい搭載していた。ならば買い換える頃には20GBくらいにはなるだろう。そうなると、今何万円かかけて増設した数GBの外付けHDDはまったくもって意味がなくなる、という結論に達したのだ。
 そこで、640MBのMOを買って、現在のHDDのあまり使わないデータを移す、という方針を採ることにした。640MBのMOなら、翌年に買い換えたマシンにつけても、十分に役に立つ。
 と、方針を決め、MOの物色を開始していた。嫁さんも、同人誌の原稿がMOで入稿できる、という事もあり、乗り気だったので、このまま外付けのMOを買う事になるはずだった。

 ところが、MOを購入を決めてしばらくして、いくつかの要因によって状況が変化した。
 まず、ネットの接続時間の増大である。結婚当初はネット接続はほとんど筆者だけでやっていたが、嫁さんもネットに慣れるにつれ、接続時間が増大した。すると、テレホタイムに一台を交代して使う、という現状に不満が出てきた。
 そうなると解決策は接続時間を減らすか、パソコンをもう一台買うしかない。すでに前者を採用する事はありえない状況だった。
 また、最新のアプリケーションに、既存のマシンのスペックがついていけなくなった事もある。特に画像処理においては相当きつく、データを保存するにに5分かかる、などという事態も生じた。
 これも嫁さんがパソコンで絵を描く技術の進歩にともなうものである。このような事から、かつて購入を一蹴した嫁さんにも、新マシンの需要が生じてきたのである。
 とどめに既存のマシンが故障をした。これはHDDの空き領域を広げようと筆者がWindowsファイルを削除した際に発生したものだ(ちなみに、コントロールパネルの「追加と削除」で行ったのに発生した)。結果的には、これが契機となって、当初の構想から大きく方向転換し、新マシンの買い足しが決定したのであった。

 
2.機種選定・購入

 という訳で、購入を決定した。まず決めるのは購入時期である。一瞬、Office2000が出るまで待とうか、とも考えた。しかし、既存のマシン用にOfficeは買ってある。夫婦が同時にOfficeを使うことはありえないため、もう一つ買う必要はない。他には気になる新技術や新アプリがなかったため、「Office2000などは考えず可能な限り早く買う」という結論に達した。
 そうなると、次はどこのを買うか,である。筆者の知識と技術では自作は無理である。また、不必要なアプリがバンドルされていて割高なうえ、カスタマイズがほとんど出来ない電機メーカーのものも買う気がおきない。
 その結果、高度な技能はいらないうえに値段も手ごろな直販メーカーのを買うことにした。
 直販メーカーにもいろいろある。その選定には各社のWebサイトを何度も見て調べた。もちろん、「Webサイトのつくりがいい=安心して買える」という図式は成り立たないのだが、Webサイトでの説明がしっかりしていない会社だとやはり敬遠したくなる。
 結局、候補に残ったのは初心者向け雑誌にも広告を出している有名な大手4社になった。その4社のサイトで何度か見積もってみた。比べてみて特に差があるとも思えなかった。そこで、家から比較的近い秋葉原にショールームのある2社に絞り、実際に店舗に行って買うことにした。具体的に言うとGATEWAYEpson direct(Endevor)である。
 二つのショールームは非常に対照的であった。駅に近いEndevorのほうは、小さいビルの4階にあり、看板も目立たない。中もただ展示してあるだけで、人もまばらだ。一方、駅から相当歩くGATEWAYは、よく目立つ造りになっている。内装も木をうまく使って洒落ている。展示の配置にも工夫がこらされている。そして平日の昼下がりだというのに、人でごったがえしている。
 こうなるとGATEWAYにしたくなるところだが、逆にこれだけ多く客がいるという事は購入後の質疑応答などのサービスが受けにくくなるのではないか、とちょっと気になった。他の条件で差がつかなかったため、このような微妙な思いつきが判断が決め手になってしまった(まあ、ただ単に根がひねくれているだけなのかもしれないが…)。そういうわけで、最終結論はEndevorという事になった。

 ちなみにスペックは、CPUがペンティアム3の450MHz、メモリが256MB、HDDが13GB、ビデオボードはMillenniumG200(8MB)、OSはWin98、モニタは17インチのトリニトロン管、主な付属品は640MBのMOとLANボード、といったところである。ちなみにビデオボードに関してての知識はなかったので、店で初歩的な事から教えてもらって決定した。
 何とか予算内におさめて注文した。その時点では1週間以内には届ける、という事だったが、3日で届いた。おそらく、比較的ありがちな仕様だったのだろう。

 
3.設置とトラブル

 直後に土日出勤があったりして、すぐには開梱できなかった。家に帰るたびに最新のマシンの包みを横目で見ながら既存のマシンを使うのは、なかなか奇妙な感じだった。
 新マシンを開梱する前に、家庭内LAN設定の準備をした。まずルータとLANボードとケーブルを買い、既存のマシンにLANボードを入れる。ドライバのインストールがうまくいかず、悪戦苦闘したが、一度削除してドライバを入れ直したら、なんとか認識してくれた。これで置く場所と環境が準備できたので、いよいよ新マシンの開梱である。
 といっても新マシンの設置そのものは、決まり通りにコードをつなげればできる。不安だったのは既存のTAとルータの接続・設定だった。とりあえず新マシンをルータに接続、さらに既存のマシンのLANケーブルをルータに接続する。しかし、ネットワークコンピュータのアイコンをクリックしても、お互いのマシンを認識してくれない。
 仕方ないので、もう一度ルータの説明書やネットワーク関係の本を読み返した。ネットワークの設定の試行錯誤を繰り返して何度目かに、相手のマシンの中が見れるようになった。
 「家庭内LAN設定に成功」というのは相当嬉しいことだった。あとは、既存のマシンのデータをすべて新マシンにコピーした上で、調子のおかしかったWindows95の再インストールをし、使わなくなったアプリケーションを新マシンに入れれば完成である。
 データのコピーは順調に行った。職場のLANで経験しているとはいえ、10Mbpsの転送速度には改めて驚かされた。なにせ、これまで作ってきた自分と嫁さんのデータのすべてが、1分もかからずにコピーできてしまったのだから。

 Windows95の再インストールもマニュアル通りにうまく進んだ。途中、間違えて電源コードが抜けてしまったときは真っ青になったが、幸い、影響はなかったようだ。ただ、LANボードのドライバのインストールは再び悪戦苦闘した。これについてはどうやれば正しくできるのか、未だに理解できないでいる。
 あとは新マシンへのアプリケーションのインストールだが、ここで問題が発生した。ほとんどのアプリは普通に動いたのだが、なぜかアクセスとペインターだけは一部の日本語が文字化けしてしまうのだ。
 他のOficceソフトは普通に日本語を表示するのだから、不思議としか言いようがない。念のためマシンのメーカーに電話したが、そのような症例はないと言われた。いろいろな情報を漁り、「文字化けを直すフリーソフト」を入れたが、アクセスは直るもののペインターには効果がない。方向違いとは思いながらも万一の可能性にかけて「IE5の入れ直し」などという事までやってみたが、全然ダメであった。
 いろいろ悪戦苦闘をする筆者に、嫁さんがPainterの会社に電話する、と言った。前のマシンでは正常に動いたので、文字化けの起きたアプリそのものに関してはあまり考えていなかった。しかし、やらないよりはマシに決まっているので、嫁さんに電話してもらった(Painterの会社はサポート受付の終了時刻が早いので筆者だと電話しにくい)。
 その日、帰宅したらPainterの表示が直っている。正直驚いた。しかも直し方を聞いたら二度驚いた。なんと
コントロールパネルの「地域」をいったん日本以外の国にして、再び日本に設定しなおすというものなのであった。
 なんとも不可解な方法だが、Painterではよくある事らしい。とにもかくにも、こうして購入から半月近くたって、やっと新マシンは完全に機能するようになったのである。

 
4.反省点

 というわけで、何とか日本語表示の問題も解決し、新マシン・LANとも順調に稼動している。
 しかしながら、不満を覚える点がないわけではない。原因は購入時点での自分の知識不足以外の何者でもないのだが、これを読まれる方のパソコン購入に役立つかもしれないので、書いておく。  その後悔点とはビデオボードである。前にも書いたが、購入時点ではビデオボードに関する知識はほとんどなかった。ただ、エンデバーの基本構成は相当貧弱だという事は、他の要素を参照して解っていた。そこで、店員に話を聞いて、基本構成より2ランクほど上のものにしておいた。
 3D関係はやらないので、そんないいものにする必要はない、と考えて選択した。実際、筆者が普通に使う分には、画像表示において差し支えは何もない。しかし、嫁さんが絵をやる際には、MillenniumG200(8MB)は、やや不十分であった。せっかくメモリを256MBにしても、その機能が画像表示に生かされないのでは宝の持ち腐れである。
 しかも、新マシンを購入した直後に、我が家のビデオボード・MillenniumG200の後継バージョンである、MillenniumG400が出たのである。性能が上なのはもちろん、G200との値段の差が1万5千円しかないのである。
 購入後に本体が値下がりしたり、CPUなどがアップグレードされて、自分のマシンの格が落ちるのは覚悟の上だった。しかし、知識も情報も不十分だった分野で失敗したというのは、残念感が強い。
 ただ、仮に6月に新マシンを買っていなかった場合、自分がビデオボードの知識を得ていたかどうかは疑問だ。まあ、失敗したゆえに必要性を認識した、とも言えるだろう。
 

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