パソコンを使いだし、いろいろな事をやるようになると、現状のスペックに満足できなくなるのは世の常である。すると当然、新マシン購入に興味を示すようになる。筆者も99年に入ってから、そのような思いを抱くようになっていた。
しかし、どこにも共通のことだが、新マシンを購入するには、「予算」という重大な関門がある。私の新マシンへの提案も、嫁さんの「金がない」の一言であっさり却下された。さらに、「ならこれから資金を作るから、買うのは来年ね」と、年内の購入申請権まで奪われたのであった。
そこで筆者も一度は諦め、既存のマシンの維持強化と、来年に備えての情報収集に専念する事にした。
ちなみに既存のマシンは、97年2月に購入したNECのPC-9821である。いわゆる「98」シリーズ最後の機種で、この次のシリーズからはNECはDOS-Vに規格を合わせ、「NX」シリーズを作るようになった。
とりあえずこのマシンをあと一年ちょっと使う算段をいろいろ考えてみた。すでにメモリは32MBから96MBに増設してある。最大が128MBなので、これ以上はあまり意味がない。となると、強化案としてはCPUの交換かHDDかMOの増設くらいである。
まず、CPUの交換だが、筆者程度の技術・経験では確実に行える自信はない。初心者でもできるセットを買うという方法もあるようだが、雑誌を見ると、そういうのはペン2の200MHz台かくらいしかないので、それではさほど効果がない。
HDDの増設は有力であった。既存のマシンのHDDの残りは200MB前後で、画像を扱ったりすると、相当辛い。すでに、新たなもののインストールには相当気を遣わざるをえない状況だった。
しかし、向こう何年も使うならともかく、一年ちょっとで新しいのを買うつもりでいる以上、増設の意義が感じづらかった。その時点で、新製品は最初から10GBくらい搭載していた。ならば買い換える頃には20GBくらいにはなるだろう。そうなると、今何万円かかけて増設した数GBの外付けHDDはまったくもって意味がなくなる、という結論に達したのだ。
そこで、640MBのMOを買って、現在のHDDのあまり使わないデータを移す、という方針を採ることにした。640MBのMOなら、翌年に買い換えたマシンにつけても、十分に役に立つ。
と、方針を決め、MOの物色を開始していた。嫁さんも、同人誌の原稿がMOで入稿できる、という事もあり、乗り気だったので、このまま外付けのMOを買う事になるはずだった。
ところが、MOを購入を決めてしばらくして、いくつかの要因によって状況が変化した。
まず、ネットの接続時間の増大である。結婚当初はネット接続はほとんど筆者だけでやっていたが、嫁さんもネットに慣れるにつれ、接続時間が増大した。すると、テレホタイムに一台を交代して使う、という現状に不満が出てきた。
そうなると解決策は接続時間を減らすか、パソコンをもう一台買うしかない。すでに前者を採用する事はありえない状況だった。
また、最新のアプリケーションに、既存のマシンのスペックがついていけなくなった事もある。特に画像処理においては相当きつく、データを保存するにに5分かかる、などという事態も生じた。
これも嫁さんがパソコンで絵を描く技術の進歩にともなうものである。このような事から、かつて購入を一蹴した嫁さんにも、新マシンの需要が生じてきたのである。
とどめに既存のマシンが故障をした。これはHDDの空き領域を広げようと筆者がWindowsファイルを削除した際に発生したものだ(ちなみに、コントロールパネルの「追加と削除」で行ったのに発生した)。結果的には、これが契機となって、当初の構想から大きく方向転換し、新マシンの買い足しが決定したのであった。