アプリケーション雑感

 
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 筆者が今のパソコンを購入した最大の理由の一つは「インターネット」であった。そして、最初から弟と自分のページを開設する、という意志があった。
 そのため、HTMLを編集するアプリケーションは相当重要視した。まず最初に使ったのは前項でも書いたWord95である。今では、IEでもネスケHTML編集用のアプリケーションがブラウザに標準で付属しているが、そのころ(ブラウザのバージョンがともに3.Xだった頃)はそのような物は別売りだった。
 当時のWordの宣伝文句の一つに「ホームページも簡単に作成」というのがあった。先述したようにFrontPageExpressなどは存在しなかった時代である。おそらく、マイクロソフトとしては、Wordを一般的なHTML編集の標準アプリケーションにする、という考えがあったのだろう。
 その時流に乗って(?)筆者たちも最初はもWordでページを作ろうとした。わざわざ、「Wordで作るホームページ」なる本を買った記憶もある。とりあえず、「ホームページみたいなもの」をWordで打ち、ブラウザ(当時はIE3.0だった)で見ると確かに自分の打ったものが「ホームページ」になっている。あれはなかなか嬉しかった。

 しかし、ちょっとやってみると、「意図したような表示が出来ない」というのを筆頭に、様々な使い勝手の悪さが判明した。そのうち、業を煮やした弟が「こんなの使っているより、タグを覚えたほうが早い」と言って、タグの本を買って独習した。そして筆者も弟に習いながら、直接タグを打つようになった。
 ところで、WordにはHTML編集機能があるため、HTML形式のファイルを読み込ませると、タグなどを表示しない。したがって自分でタグを使って作る場合、Wordでは編集できない。そこで使ったのが、HTML編集機能のないワードパッドであった。その時は、「機能がつきすぎたWordではできない事が、小型版のワードパッドでできるとは皮肉だな」などと思っていた。
 とはいえ、ワードパッドに満足していたわけではなかった。表示サイズが小さい事や、ドラッグがうまくいかない事など、不満点はいろいろあった。もちろん、Wordほどではないとはいえ、動きが重いのもうっとうしかった。

 そんな時、あるサイトで「メモ帳で作っている」という文を読んだ。それまで、メモ帳そのものは日常的に使っていたし、HTML形式というものがテキストファイルの一種である、という事も知ってはいた。しかし、なぜか「ならメモ帳でやればいい」という発想は一切浮かばなかった。
 HTMLを編集する、という観点でワードパッドとメモ帳を比較した場合、いちがいにメモ帳が優れている、とは言えない。たとえば、メモ帳ではドラッグ&ドロップで文字を直接コピーしたり切り抜いたりできない。しかし、重さや見易さの事を考えて、筆者はメモ帳に転向した。
 振り返ると、筆者のHTML編集のアプリケーションは、Word→ワードパッド→メモ帳と、常にマイクロソフトの製品を、しかも段々と機能が少ないものに移行していった、という事になる。

 99年初頭に「IE5.0」が出た。色々な新機能がついていたが、その中で筆者がもっとも印象に残ったのは、「4では『編集』をクリックすると自動的にForontPageExpressが立ち上がったが、5ではForontPageExpressとメモ帳のどちらかを選択できるようになった」というものであった。
 アップグレードによって、従来よりもプリミティブなアプリケーションと連携するようになった、という話は筆者の知る限りでは初めての事である。マイクロソフトも、HTML編集については筆者と同じような結論に達した、ということなのかもしれない。

 なお、メモ帳を使い始めてからしばらくして、秀丸という高い評価を得ているエディタの存在を知った。そこで雑誌の付録でから入手して試用したところ、非常に使い勝手が良かった。そのため、4000円払って購入し、それ以来HTML文章はすべて秀丸で編集している。
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