パサール幕張に歩いて行ってみる
2009/3/25(2009/9/5・2013/4/24追記)
1.到達方法
2008年3月半ば、自宅の郵便受けに、「パサール幕張」なる施設の宣伝チラシが入っていた。見てみると、荒れ野原の向こうにある、幕張パーキングエリアを大幅に改装したとの事だった。
旧来のSA・PAとは抜本的に異なる施設を目指しており、そのために「パサール」という名前をつけたとの事だった。
最初、そのチラシを見たときは「画期的だとは思うが、地元のアパートにチラシをまいてもな・・・。だいたい、我が家に自動車はないし、自分に至っては免許すらない。近所にあるが、一生行くことのない施設になるだろうな」と思った。しかし、開業後にネットで見たところ、歩いても入れるとの情報があった。
幕張本郷方面から行く場合、2008年3月開業の下り線と、同じく8月開業の上り線では、行き方はかなり異なる。まず、「元祖」の下り線から説明しよう。
JR幕張本郷駅の改札を出てそのまま直進すると、陸橋の上に出る。そこを左折し、しばらく歩くと、スーパーのリブレ京成がある。そこを右折し、まっすぐ歩いてしばらくすると、京葉道路を渡る陸橋が現れる。左を見れば、目指すパサール幕張が目に入る。
ここで極めて重要な事がある。下り線の施設に行くのだから、つい、京葉道路を渡らず、下り線に沿って歩きたくなる。ところが、それを行なうと、とんでもない大回りになってしまう。そのため、遠回りに見えるが、京葉道路を一度渡って、それから高速沿いに曲がるのが正しい行き方になる。
曲がってしばらく歩くと、道は細い下り坂になる。行き止まりのようにも見えるが、ちょっと下ると、整備されていない階段が現れる。そこを下ると、京葉道路をくぐる通路が見える。薄暗い通路だが、そこをくぐって、反対側に出る。そして右折すると、目的地である「パサール幕張下り線」が見えてくる。
しかし、そこから施設に入るまでが一苦労だ。まず入口らしきものが見えるが、それは従業員専用通路で一般人は入れない。これを見て、「やはり車を使わねば入れないのか」と諦めて帰る人もいそうだ。
しかし、施設に沿いながらひたすら歩くと、やがて「PASAR幕張」と書かれた入口が見えてくる。ところが、入口はあるが、道路から施設に入る道はない。それでも諦めずに、ひたすら施設に沿って歩くと、ようやく入口が現れる。最初に施設の塀を見てから、五分くらい歩いてようやく到達できるのだ。さらに、そこから戻るような形で、先ほど見えた入口に行き、やっと中に入ることができる。
なお、「近道」として、ヤマザキデイリーのある交差点を左折し、二つめの角を右折、そのまま直進して突き当たりを右折してすぐ左折し、階段を下りた後に荒れ野原に入り、未舗装道路を直進する、という経路もある。
なかなか野性味あふれる道で面白いが、迷いやすいのであまりお勧めできない。分からない場合は上記のように高速沿いに歩いた方が無難だろう。
一方、上り線に行く経路は、より一層分かりにくい。今度は京葉道路を見ても曲がらず、そのまま直進するのだ。そして、歩き続けると、道は行き止まりになる。その左側に階段があるので、そこを降りるのだ。
降りた道を右折し、続いて左折すると川がある。その向こうには上り線の施設が見える。ちょうど、施設の末端になっており、半島の先端みたいな感じになっている。したがって、どちらの壁に沿って歩くか迷うところだが、すぐには曲がらず、続いて現れる二本目にかかった橋の手前で左折し、川に沿って曲がるのが正解だ。
そのまま、塀に沿って歩くと、やがて入口が見えてくる。そこを入っていけば、「PASAR幕張」の看板が見えてくる。
施設に至るまでの道が複雑な上に、施設が見えてから入口を見つけるのも一苦労だ。はっきり言って、予備知識無しで、幕張本郷方面から歩いてたどり着くのは、かなり難しいだろう。実際、筆者も、調べずに行こうとして入口が見つからず、断念した経験がある。
開業時に幕張本郷の各戸にチラシをまいたということは、そこの住民が歩いて来ることを期待しているのだろう。ならば、入口増設とは言わないが、せめて案内看板くらいつけてはいいのでは、と思った。
参考・Google Mapsに記載した経路
2.共通点と相違点
双方とも、従来のサービスエリア・パーキングエリアとは、抜本的に異なる感覚で作られている。
構成はともに、主となるレストラン・フードコート式の飲食店・専門店・土産物屋・コンビニ、となっている。また、下り線には、フードコートと独立したレストランも設置されている。
相違点としては、まず形状の違いがある。下り線は、京葉道路に沿うような感じで、横長になっている。一方、上り線のほうは、円形に近い感じだ。これは敷地の都合なのだろう。
もう一つの相違点として、下り線は「千葉への入口」を、上り線は「千葉からの出口」を意識している、という事が挙げられる。
したがって、下り線の土産物屋は、千葉以外の地区の商品が置かれている。一番多いのは「東京土産」だが、他にも横浜さらには長野・新潟・関西などの名物も置かれてある。専門店街の中には、横浜名物のシウマイを売る崎陽軒も入っている。
というわけで、各地の名物が売られているが、やはり中心は東京だ。そういう事もあり、それぞれの店もかなり都会的だ。使い古された表現だが、「デパ地下」を彷彿させる作りになっている。
一方、上り線はほとんど「千葉一色」だ。土産物屋で扱っているものは、九割方が千葉のものである。特に、銚子・野田と醤油の二大産地を擁している事もあり、醤油の種類は豊富だ。中には「バニラアイスにかけるための醤油」などというものも売られている。また、千葉を代表する農産物である落花生も、加工品も含め、かなりの売場面積を占めている。他にも、海産物や枇杷関連商品・千葉産米なども売られている。
なお、「幕張黒糖饅頭」なる、成田市にある会社の商品が売られていた。幕張と黒糖になんら関連性はないうえに、作っているのは成田市の会社という、「幕張」の名はついていても、幕張とは何も関係のない商品である。「幕張土産」を置くなら、生産地も由来も幕張と大いに関係している、幕張ポテトをぜひとも置いて欲しいものだ。
また、鴨川シーワールド・大多喜ハーブアイランドベジタブルガーデンなど、千葉を代表する施設の土産物のコーナーもある。
さらに、フードコートのほうも、九十九里・下総・山武など、店名に千葉の地名を冠した店が並んでいる。
というわけで、全体的に下り線が都会的に、上り線がローカル色豊かになっている。筆者のような「千葉都民」にとっては、「千葉」を凝縮した上り線のほうが愛着が深い。
3.「下り」と「上り」の移動について
というわけで、上下それぞれ、個性と特徴がある作りになっている。となれば、幕張本郷から延々と歩いて行く以上、どちらも行きたくなるとしたものだろう。
「下り」から「上り」に行く場合だが、まず外に出て右折する。しばらく歩くと、高速道路をくぐる形になる。くぐり終わったら、そのまま施設に沿いながら歩けば、「上り」の入口が見えてくる。
比較的分かりやすいので、迷わずに移動できると思われる。所要時間もさほどかからない。ただ、幕張本郷からの散歩と考えれば短時間だが、ドライブ中にどちらかに車を止め、歩いて逆側に移動する、と考えると、少なからぬ時間になる。
したがって、ドライブ中に立ち寄って、双方楽しみたい、という場合は、この経路を使って、「下り」と「上り」を行き来することはお勧めできない。
普通に行きに「下り」に行き、帰りに「上り」に行く(あるいはその逆)、としたほうが無難だろう。
4.まとめ
というわけで、新機軸のSA・PAである「パサール幕張」を車に乗らずに楽しむ方法を書いてみた。
幕張本郷外縁は、住宅街がつきると、いきなり荒れ野原になる、という特徴があった。それだけでも面白かったのに、さらにその荒れ野原の向こうに、「デパ地下」ばりの商業施設ができたわけだ。
おかげで、幕張本郷近辺探索がさらに楽しくなった。これからも、「パサール」の元祖として、色々と面白い店を出してほしいものである。