幕張本郷発着のバスに関する記事一覧

※検索サイトで「幕張本郷 バス」で検索して来られた方へ

当サイトに掲載されている幕張本郷駅発着のバス路線一覧表は幕張本郷案内・バス路線に記載されています。そちらをご参照願います。
 なお、以下の文章は2001年に突如新設され、2年で廃止されたバス路線に関する文章です。

幕張本郷循環バス

 2001年の春先に、駅から家に向かって歩いていたら、方向幕に「幕張本郷循環」と書かれた、普通のバスより一回り小さいバスを見かけた。不思議に思って、翌日バスターミナルで調べてみたら、「千葉シティバス」という会社が新設した「幕張本郷町内循環バス」である事が判明した。
 運行区間を見ると、幕張本郷の町域の東側を時計回りに1周する、という感じだ。一番遠いバス停で、駅から歩いて1.5kmくらいのところにあるという超ミニ路線だ。運賃は100円均一、平日のみの運行で一時間に2本くらい走っている。
 今ひとつ設立した目的がわからない路線だが、ある日、ローカル新聞に折り込まれていたどこかの市議会議員のビラを見たら「私が運動してこの路線を作った」と書いてあったので、納得した。
 当初は、普通のバスの小型版を使っていたが、その後、さらにダウングレードしてマイクロバスでの運行になっていた。また、停留所も少し新設していた。にもかかわらず、いつ見てもバスはガラガラで、たいていは乗客ゼロ、いても2人しか乗っていなかった。

 前から一度は乗ってみたかったが、なかなか機会がなく、開業してから1年数ヵ月後のある日の昼下がりに、初めて乗る機会を得た。「幕張本郷駅」の次にある、我が家から一番近い「幕張本郷5丁目」から乗車する。他のお客さんは1人だけで、大きな荷物を持っていた。
 マイクロバスはドアが開くのにあわせてステップが出るなど、足の弱い人に配慮した作りになっている。さらに、車内には次のバス停を表示する電光掲示板もある。座席定員数は17人だった。
 出発してから「幕張本郷中学校前」「幕張本郷四丁目」というバス停が300mごとくらいに出てくるが、乗る人はいない。次の「上の台小学校前」で荷物を持った人が降りた。この小学校は選挙の投票所となっているので何度か行った事がある。我が家から歩いて10分くらいだから、駅から歩いて15分くらいだ。
 ここで線路を渡り、町の南側に入る。以下「西の台小学校入口」「幕張本郷三丁目」と南下し、そこから右折して駅に戻る形で「風月堂」「幕張本郷二丁目」「公民館」と進む。いずれもバス停に人はいない。通行の邪魔になるのか、「幕張本郷二丁目」「公民館」のバス停は、歩道の奥のほうに置かれていた。
 「公民館」を出ると大通りに入り、そこを右折すればもう駅が見える。そこから2分たらずで終点の幕張本郷駅に到着した。一周に要する時間は10分ちょっとだった。
 乗客は筆者を入れて二人だったから、200円の収入があった事になる。一時間に2本運行しているわけだから、このペースだと時給(?)400円という事になる。人件費や運行管理費はもちろんのこと、ガソリン代すら出ないような感じだ。最初に書いたように、いつ見ても同じくらいの乗車率なのだから、赤字であることは明白だ。

 ただ、赤字だからと言って、このバス路線の存在意義を否定する気はない。老人や足の不自由な方などにとっては、このように小回りのきくバスが街中を走ってる事は相当有難いことだろう。
 とはいえ、現状のままではいつかは赤字路線として「処理」されてしまうだろう。コーチバスのようなより地域に密着したシステムを導入して、なんとか生き残り、さらには発展してもらいたいものだと思う。

※追記

 結局、この路線は2年で廃止。しかも地元に住んでいるにも関わらず、筆者が気づいたのは廃止後約1年たった2004年8月だった。

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