2回戦の最中に、所用で遅れていた髭さんが到着した。この人は、人生ゲームブームの立役者の一人で、ブラックアンドビターにおいて、三回連続で$100,000の家を焼失したという経験の持ち主である。ゲームの腕もかなりのもので、過去のブラックアンドビターの例会ではかなりの確率で1位となっている。
しかし、「おもひで劇場」をするのは初めてだ。そのため、過去2ゲームとはいえ、「経験値」のある他のメンバーのほうが有利かと思われたのだが・・・
なお、ゲームの定員が4人のため、筆者が抜け、銀行をやりながら他の4人の戦いを見る事になった。
さて、そのゲームは髭さんが飛ばしまくった。買える物は何でも可能な限り最高額のものを買う。車も当然20万のものだ。そのための借金はいとわない。なんと、中盤の終わるあたりで、借金総額が28万まで膨れ上がった。しかも、職業は最初から「アルバイト」だから圧倒的に不利だ。
一方、他の3人はこれまで通り進めている。なお、母娘タッグのOさんは本日三度目の「ヒッピーにあこがれて職を捨てる」マスに止まって「失業」していた。一度ならとにかく、三回やって三回とはかなりのツキのなさだ。
さて、注目の髭さんだが、「正月(決算日)」まで残り20マスを切ったところで、まだ借金が28万残っている。誰もがこれでは初の「空き地」行きか?と思いながら見ていた。
ところが、髭さんは、ここから驚異的な引きを見せる。まず、「宇宙飛行士」マスに止まり、「アルバイト」から一気に大昇格し、給料10万を確定させる。さらに、20万確定の「お宝」を獲得した上に、「正月(決算期)」の一つ手前にある「画期的な健康器具を開発して18万」というマスにまで止まる引きの強さ。「正月(決算期)」に着いた時は借金完済のうえに、かなりの財産を築いていた。
その後、「隣の人とお宝を総交換」を食らって20万の自動車やお宝を失いもしたが、それまでの蓄財が大きい上に、「正月(決算期)」の後も高額収入マスに止まり、圧倒的首位でゴールイン。「第2部」での成績は平凡だったが、余裕で首位を守り、初参加初勝利を達成した。
この「借金をいくらしても、後で元が取れて財産が築ける」というのは、まさしく「昭和のおもひで」なのかもしれない。そういう意味では、髭さんは「勝つべくして勝った」とも言えるだろう。もっとも、これは後半の驚異的な引きによってなされて勝利であり、筆者は、解っていても真似はできないが。
というわけで、初の「昭和おもひで劇場」はなかなか盛り上がった。また近いうちにやってみたいものである。
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