1.プリンタ故障顛末記

 

1.突然の故障

 ある日の夜、ちょっと凝った印刷をしていた。刷り上がりを見たら間違いがあったので、修正してまた印刷コマンドを実行した。すると、なぜかプリンタのコマンド確認の窓に「プリンタが接続されていません」というエラーメッセージが出た。当然、印刷も行われない。
 とりあえず何度か印刷コマンドを繰り返してみた。しかし、反応は同じである。どうやらいきなり故障したらしい。ついさっきまでは正常に印刷していたにもかかわらずだ。もちろん、その間にプリンタ本体をいじりもしなかったし、変なコマンドも入れていない。しかし何度やっても「プリンタが接続されていません」という表示が出るのみである。
 念のため、プリンタケーブルを接続し直して印刷コマンドを入れてみたが、やはり結果は同じである。どうやら、機械の故障らしい。これまでも故障はあったが、修理などは当時同居していた弟に任せっきりであった。というわけで、初めて、自力で故障への対応をしなければならない事態に直面する事になった。
 
 

2.思い込みによる悲劇

 まず、マニュアルを見るが、「『プリンタが接続されていません』というメッセージが出た場合は?」という項目はなかった。結論を先に言えば、ここで即断してマニュアルを閉じたのが大悪手だった。しかし、そのときは微塵にも気づかない。
 念のため、プリンタドライバを入れ直したが、何の効果もない。こうなったら、文面そのままに解釈するしかないだろう、と思い、プリンタケーブルが故障したものだと結論づけてしまった。そしてケーブルを買い換え、接続し直した。しかし、出てきた表示は無情にも「プリンタが接続されていません」だった。
 千いくらの金を無駄にしてしまったわけだが、後悔先に立たず、である。仕方がないので、もういちど全てのマニュアルを読み直した。すると、初期設定の所で「コンピュータと接続する前に行う動作確認」という項目があった。つまり、これを行えば、接続状況に問題があるのか、プリンタ本体の故障かがわかる。そこで、説明書通りにやってみた。その結果、プリンタは作動しなかった。
 どうやら、プリンタ本体に何らかの異常が生じ、そのため、ドライバがプリンタを認識できなくなってしまい、「プリンタが接続されていません」と表示したらしかった。やや紛らわしい表現だとは思うが、それ以前の問題として、早とちりしてしまった自分に問題があると言わざるを得ないだろう。
 
 

3.修理

 やっと理由が判明したが、これは素人の手には負えない故障である。幸い、プリンタ購入時に販売店の「5年間保証」に加入していたため、購入後一年を越してはいたが無料で修理してもらう事ができた。そして、修理を依頼してから12日後に、プリンタは帰ってきた。
 いまさら総括する必要もないが、今回の失敗は「プリンタが接続されていません」という表示を見た時に「接続の異常」と思い込んで自分の思い込みで動いてしまった事につきるだろう。後で冷静に考えてみれば、とりあえずメーカーのWebサイトのFAQを見るなり、メーカーのサポートに電話するなりといった対策があったはずだ。
 故障したからといって、すぐに販売店に持っていくのもまた考え物だが、原因を特定できる知識もないのに、情報を収集せずに見当はずれの事をするとどうなるか、大した実害はなかったとはいえ、大いに反省させられた一件であった。
 
次へ


「電算室」に戻る

トップページへ戻る