4.CPU交換2002/1/18
   
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 1999年6月に、嫁さんの絵描きを主目的としたパソコンを購入した(購入時の話はこちら)。CPUはペンティアム3の450MHz。画像処理を意識し、当時はまだまだ高価だったメモリを256MB積んだものの、OSがWindows98だったのと、ビデオカードがやや貧弱だったため、期待していたほどのパフォーマンスは出なかった。
 OSが9x系だと128KB以上積んだメモリは、一部のグラフィックソフト以外は役に立たない、と知ったのは購入後の事であった。したがって、それ以来、いつかはNT系のOSにアップグレードしようと思い続けていた。
 そして、昨年秋のWindowsXPの発売を機に乗り換える事にした。XP自体に魅力を感じた事は特にない。ただ、2002年初頭にBフレッツを導入することになり、98だと「MTU」とやらの設定がブロードバンドに適していないという情報を得た。そこでいい機会だと思い、乗換えを決定した。
 乗り換えるための情報をいろいろ調べてみたところ、CPUの動作周波数が450MHzでは厳しい事が判明した。一応、マイクロソフトは300MHz以上とうたっているようだが、実際は600MHz以上ないと厳しいらしい。2年半前の最高が500MHzだった事を考えると相当きつい話だ。余談だが、この調子でいけば2005年には「CPUの動作周波数が1.5GHz以上ないと満足に動かないOS」などが出るのだろうか。
 というわけで、CPUを交換することにした。CPUの形状は何種類かあるが、ペンティアム3からセレロンは比較的交換しやすいらしい。値段も安いし、嫁さん用のマシンは別に買ったため、こちらのマシンでグラフィックソフトを使う事もないので、セレロンにすることに決めた。
 まず秋葉原にある有名電器店のパーツ売り場に行ってみる。すでにメジャーな店ではセレロンの900MHzが最低ランクとなり、値段も1万円を切っている。買おうとしてよく見ると値段表の隣に注意書きがあった。それによると「900MHz以上だと、適応したBIOSがない事が多い」との事だった。なんでも900MHz以上からは「Dステップ」なる規格になり、そのため古いマザーボードでは動かない可能性があるらしい。
 筆者のパソコンは2000年の秋にメーカーがBIOSのアップグレードファイルを出したのが最後だ。そうなると、仮にBIOSを最新にしても「Dステップ」に対応していない可能性が高い。
 一瞬、あきらめかけたが、「大手チェーンならとにかく、普通の店ならちょっと型落ちしたCPUも置いてあるのでは」と思い、いくつか調査した上で、後日、パーツショップに行くことにした。

 店に行く前に、BIOSのアップデートをしておいた。1年以上前に出たBIOSとはいえ、新しいに越したことがないと思ったのだ。無事作業が終わり、再起動したところ、なぜかキーボードとマウスが使えない。何度再起動しても同じである。一瞬「CPUを交換する前にパソコンが終わってしまったか・・・」と思ったが。元のBIOS設定リストと比較したところ、簡単な設定ミスだという事がわかり、すぐに解決した。
 翌日、雑誌広告で知った千葉のパーツショップに行ってみる。すると予想通り、セレロンの800MHzが置いてあった。値段は7,000円弱である。この投資で動作周波数が倍近くなると考えると相当安いと思った。
 ついでにOSも買うことにした。CPUやメモリと同時購入の場合のみ「OEM版」というのがパッケージより安い値段で購入できると聞いたからだ。しかし、値段は20,000円ちょっとだった。確かに新規版よりは相当安いが、すでにWindows98の動いているマシンに入れるのだから、同じ値段でアップグレードバージョンが買える。したがって、全くもって得にはならなかった。
 早速、マシンをあけてCPUクーラー、そしてその奥にあるCPUをはずす。しかし、その形状は買ってきたセレロンとは異なっていた。
 なんでも。ペンティアム3には「カタミ」と呼ばれる初期タイプと「カッパーマイン」と呼ばれる後期型があり、その「カッパーマイン」は購入したセレロンと同じ形状なのである。筆者のは「カタミ」だったのだ。専門用語(?)だと前者の形状は「スロット1」、後者は「ソケット370」というらしい。
 一瞬、失敗したかと思ったが、調べてみたところ、「スロット1対応のマザーボードにソケット370対応のCPUを挿せるようする変換機が2,000円くらいで買える」という事がわかり、一安心した。
 翌日、その変換機を購入し、再度CPU交換に挑む。最初に、元のCPUをはずす。次に変換機に新たなCPUを取り付ける。変換機は輸入物で英語の説明書しかなく、CPUのほうも、世界各国語でマニュアルが書かれているため、日本語での記述は極めて少ない。しかし、作業自体はさほど複雑でないので、苦にはならなかった。ただ、変換機にCPUクーラーを取り付けるのは、取付金具が硬いため、ちょっと手間取った。ただ、マザーボードに直接取り付けるわけではないので、「手がすべって他の部分を破壊したらどうしよう」という不安を感じずに作業することができた。そういう点ではスロット1だった事が幸いしたと言えるかもしれない。
 後は、元のCPUがささっていたスロットに変換機をさせば完了である。感覚としてはファミコンのロムカセットを挿し込むのと似ていた。こうして、トラブルもなく、CPU交換が終了した。

 理屈上は特に失敗がなかったはずだが、やはり起動する瞬間は不安である。祈るような気持ちで電源を入れると、しばらくして800MHzの"ペンティアム3"という表示が出た。ちょっと勘違いしているようだが、とりあえず800MHzだということは認識してもらえたらしく、一安心した。その後も普通に、立ち上がり、特に不具合もない。しかし、「動作が早くなった」という実感もあまりなかった。

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