1.一番目立ったもの
今回の「WPC EXPO 2001」において、最も存在感のあったものは、一般的にはWindowsXPだった、とされている。確かに会場で配られる袋には「WindowsXP」のロゴが書かれていた。また、マイクロソフトのブースでも大々的にWindowsXPのデモが行われていた。
実際に筆者も一度ならずマイクロソフトのブースに行ってWindowsXPを見てきた。しかし、どうも強い印象は残らなかった。
現在、筆者は自宅ではWindows98を、職場ではWindows2000を使っている。しかし、パッと見ただけでは、一部のロゴを除いて両者の違いは判らない。もちろん、安定性の差など、いろいろなところでWindows2000の利点は感じる。しかし、それを実感できるのは使い込んでいるときのみだ。
WindowsXPの最大の特徴はNT系と9x系の統合なのだろうが、これがうたわれてから2年以上の時間が経過している。したがってあまり新鮮味がない。パソコンで使う範囲での最大の売りである、「NT系の安定性・堅牢性を持ちながら、ゲームなどの9x系用のソフトが使える」も、実際に使ってみないことには判らない。要はいくら展示を見てもピンとこないのだ。
筆者の見たデモは、DVカメラで動画を取り込み、それをWindowsXP付属の動画編集ソフトで編集する」というものだった。確かにOSに動画編集ソフトが付属でつくなんて、数年前には想像できなかっただろうが、今となっては別に驚くほどではない。しかも、説明してくれた人いわく「本格的な編集は専門のソフトを使わなければできないが、これでも相当な事ができます」とのことである。
いずれにせよ、「WindowsXPでないとできない」というわけではない。他にも「他人のPCをリモートコントロールできる」というデモもあったが、これも、ソフトを使えば以前よりできた機能である。そこそこ時間を費やしたが、結局のところ一部のアイコンが変わったことくらいしか印象には残らなかった。
前置きが長くなったが、「では一番目立ったのは何か」となると、その答えは佐川キティである。
要は「キティちゃん」に佐川急便の運転手の制服を着せたものなのだが、佐川急便のブースはもちろん、一部の出入口にも大量に飾られていた。しかも飾ってある量が半端でなく、場所によっては所狭しとギッシリ詰め込まれているのだ。
同行した嫁さんが欲しがったので、様子を見ていたら、佐川ブースでのステージを見てアンケートに答えるともれなくもらえる、という事がわかった。そこで適当な時間を見計らって佐川のブースに行ったところ、ステージ開始まで30分近くあるのに、席はほとんど埋まっている。そこで嫁さんは席を取り、筆者は他のブースをうろついていた。
佐川の開演10分くらい前にもどると、満席となった会場の脇に行列ができている。何だと思ってコンパニオンに尋ねたら「アンケート用紙をもらうための列」である事がわかった。並んでいるのは女性よりむしろビジネスマン風の人のほうが多い。とはいえ、彼らがITを活用した物流の研究に熱心そう、という雰囲気はなかった。おそらくは彼女や会社の女性に頼まれたのだろう。
大盛況で佐川のステージは終わった。後で嫁さんに内容を聞いたところ、近いうちに現金による代引きのみならず、カード決済や分割払いなども佐川のドライバーができるようになる、というようなものだったようだ。確かに便利で興味深い技術だ。筆者も仕事で宅配業者を使う事もあるので、佐川によくある荷物の延着・不着・破損などの問題が解決されたら、これらの新サービスを活用しようかと思った。
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