気合で覚えるWord・Excel

 筆者も職場では一応、IT関連の部署に所属している。IT関連といっても様々な業務があり、中には「ネットワークプリンタの管理という事でデジタル複合機(コピー機にプリンタ・スキャナ・FAXなどの機能をつけた機械)の紙詰まりの除去などもやらされている。
 とはいえ、やはりパソコンの操作関連の質問を受けることは少なくない。そしてその中には使用頻度の高いアプリケーションであるWord・Excelの操作についての質問も含まれる。その中で、質問頻度の高いものについての解答・解説を、本コーナーで紹介していきたいと思う。
 基本的に対象としているのは、キーボードの打ちかたしか判らない人および、「ワープロ専用機やWindows以前のワープロ・表計算ソフトはなどはそこそこ使えたが、WordやExcelになってとまどっている人」である。
 

その1・Wordで線を引く−文字の装飾

2001/08/01

 文書を打つ際に、線を引く機会は多い。それを大別すると、「文字を装飾する」と「区切りを作る」になるだろう。
 Wordには、デフォルトで「図形描画」というツールバーが表示されている場合が少なくない。そして、そこには直線描画を意味するGUIが一つある。あまりにもあからさまに「直線を引く」という感じなので、つい、これを使ってしまう人も少なくない。

 確かに、これを使えば、文字に強調の下線も引けるし、見出しを囲うことも可能だし、境界線を引くことも可能だ。さらに苦労すれば表組みすら作ることができる。
 このように書くと、この「直線ツール」は万能で、これさえあればWordの全ての線はOKかに見える。たしかに、文書を打って、それに線を引いたり表を作ったりして、その文書を印刷するだけなら、それでも相当の事はカバーできる。
 しかし、その文章を再編集したり、再利用したりすると、「直線ツール」によって引かれた線はとたんに役立たずとなる。結局このツールは「指定された位置に直線を引く」というものだからだ。その位置にあった文字がどこに動いても引かれた直線はそのままの位置に存在する。

 というわけで、応用性のある文書を作る場合には、それぞれの用途にあわせて、どの線を引くかを選ぶ必要がある。まず、文字の強調の場合だが、簡単なものは書式ツールバーを使えば事足りる。
 単なる下線を引くなら、その文字を選択して、下図の「」ボタンを押せばいい。また、Word2000以降なら、その右の三角を押せば、二重線などを選ぶことができる。同様に、文字を囲うだけならば、「」を押せば文字を囲う事ができる。

 さらに、凝ったことをやりたいなら、装飾したい文字を選択し、右クリックをして、「フォント(F)を選ぶ。これを使えば、下線はもちろん、取り消し線や傍点などの装飾も行える。ついでに大きさや色の変更までもがこの「フォント」窓で可能である。さらに、アニメーションというタブをクリックすると、「文字に紙ふぶきを降らせる」だの「文字が揺れ動く」などといった装飾(?)も可能だ。しかしこれって「確かにすごいが、何の役にも立っていない」の典型例だろう。


 一方、囲む場合は、囲みたいところを選択して、一番上にある「罫線(K)」の「線種とページ罫線の網掛けの設定(B)」から、「罫線」タブの「囲む」を選択する。これだけで、その部分を罫線が囲んでくれる。「網掛け」タブを選択すれば、網掛けも簡単だ。
 ただ、この機能は一つ問題があり、文章の形にあわせて罫線囲みや網掛けをしてしまう。日本語の文章の場合は、一律に長方形で罫線囲みや網掛けをする事が多いが、それはどうやら無理なようである。
 まあ、「網掛けをしなければならない」というという事は、ほとんどないだろうから、この機能は必要最小限にとどめておいたほうがいいかもしれない。

 なお、ここで述べた「罫線で囲う」機能は、罫線の形・色・太さなどは調整できるが、罫線で作った枠そのものの調整はできないようだ。したがって、タイトル文字など、さほど編集によって文字数が変わらないものを罫線で装飾する場合は、別の方法を使ったほうがいい。こういう場合は「図形描画」ツールバーを使ったほうがいい。ただし、「直線」ではなく、「長方形」「楕円」「オートシェイプ」などを選び、それで装飾するのだ。
 ここで注意しなければならない事は、これらの図形はデフォルトで図形の中の色が白になっている、という事である。したがって、文字を書き、その上に図形を置くと、文字が消えてしまう。
 そこで、図形を選択して右クリックし、「オートシェイプの書式設定」で「塗りつぶしの色」を「白」から「塗りつぶしなし」に変更する。すると、最初に書いた文字が表示される。


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