気合で覚えるWord・Excel5

Excelでの印刷・応用編

2003/01/11

 Excelの印刷でよくあるトラブルについていくつか紹介する。
 まず、「ページを作成して印刷ボタンを押したが、何も印刷されない」というトラブルである。このような現象が生じたときは、まず前項で述べた印刷プレビューを見る。たいていの場合、プレビューで見ても何も表示されていない。
 この原因はExcelの印刷範囲指定機能によるものが多い。印刷したい範囲を選択して、「ファイル(F)→印刷範囲(T)→印刷範囲の設定(S)」とすると、その範囲のみが印刷される。なかなか便利な機能だが、手がすべって、一つの空白セルを選択した状態で、上記の設定をしてしまうことが意外にある。
 こうすると、当然、その空白セルのみ印刷されてしまうので、いくらデータを作っても白紙しか印刷されない。対策は、「ファイル(F)→印刷範囲(T)→印刷範囲のクリア(C)」とすれば元の状態に戻る。
印刷範囲設定・クリア
 対策そのものは簡単だ。しかし、原因を究明できず、「プリンタの故障か?」などと勘違いしてしまう事が意外に多い。とにかく、Excelで印刷をかけて白紙が出てきたら、とりあえず「ファイル(F)→印刷範囲(T)→印刷範囲のクリア(C)」をやってみるといいだろう。また、前項でも述べたが、印刷前にプレビューを見る習慣をつけていれば、この設定ミスを事前に発見しやすくなる。

 これと逆のトラブルで、一枚分のページを印刷しようとしたら、それ自体はうまくいったが、同時に白紙や罫線1本のみが印刷された紙が大量に出てくる、というトラブルもよくある。
 これは、本来印刷すべきページの範囲外のセルに空白データを入れてしまった時などに発生する。よくあるのが、スクロールをしているうちに加速されて、ずっと向こうのセルに行ってしまい、そこでスペースキーを押してしまった、などという時に生じる。
 これに対する正しい対策は、そのスペースなどの無駄なデータを削除することだ。シート全体を選択し、編集(E)→検索(F)で出てきた窓にスペースを入力して「OK」を押す。そこで検索されたセルを削除すればいい。
 もっとも、スペースと言っても全角と半角を別々に検索しなければいけないし、スペース以外が原因の可能性もありえる。したがって、現実的な対策としては、印刷する範囲のみをコピーして、隣のシートに貼り付け、元のシートは削除してしまうほうが手っ取り早いと思う。(※シートの活用法についてはいつか別項で書きます)

 ここまでは、Excelで1枚のページを印刷する事を前提に述べてきた。しかしながら、データ量が増えると、印刷ページは複数にわたってくる。その際にお勧めの手法をいくつか紹介する。
 まず、見出し行を複数ページで印刷する方法だ。たまに、見出し行をコピーして、それを次のページの最初の行に貼り付けている人を見かける。確かにこれはたいして手間もかからない。しかしこれだと、1ページ目に新たな行を挿入した場合、2ページ目以下の見出し行をいちいち移動させなければならない。これは非効率的だ。
 実はこの問題は極めて簡単な操作で解決する。まず、ファイル(F)→ページ設定(U)から、「シート」のタブを選ぶ。そこの「行のタイトル」の入力欄をクリックしたあと、見出しの書いてある行番号(この場合は「1」)をクリックする。すると「行のタイトル」のところに「$1:$1」と表示される。 見出しの行を固定
 これで、各ページの一番上の行に見出しが印刷されるようになった。たとえば、下の表は、途中を省略しているが、全部で140行あるという設定にしてある。
行の多い表
 こんなのをいちいちページごとに見出しをつけると大変な手間だ。しかし、見出しの行を固定すれば、自動的にどのページの一番上に見出しの行が表示される。

 次に、各ページに表題とページ数もつける方法を説明する。見出しの時と同様、印刷されるページにあわせて表題や「○ページ」などと打っていたら大変だ。そういう場合、ヘッダー・フッターを使うと見出しと同じように自動的に表示してくれる。ヘッダーはページの上、フッターはページの下に固定して表示される文字・数字のことだ。
 今度はファイル(F)→ページ設定(U)で出てくる窓から「ヘッダー/フッター」のタブを選択する。すると、ヘッダーとフッターを表示する画面が出てくる。「ヘッダー(フッター)の編集」というボタンを押せば編集画面が出てくる。左・右・中央の3箇所でそれぞれ指定することができる。普通は表題をヘッダー中央に、ページ数をヘッダー右側かフッターに表示することになる。
ヘッダー・フッター
 設定は簡単だ。普通に文字を打ち込めばその文字がヘッダー(フッター)になる。ページ数を入れる場合は、編集画面のアイコンにある「#」を押すか、「&[ページ番号]」と打ち込めば、印刷時には自動的にページ数を表示してくれる。上の図の矢印で示したところのように、「&[ページ番号]」の前後に文字を打てば「第○ページ」などと表示させることもできる。
 また、字の大きさ・スタイル・フォントの変更をする場合は、アイコンの「A」を押せばいい。あとは通常の文字装飾と同じ要領で変更することができる。
  見出し見本プレビュー
 これで、上のような表が完成した。プレビューのように、自動的に表題・見出し行・ページ数を表示してくれる。目立たない部分だが、表の見栄えと統一性をよくするためには、覚えておいて損はないだろう。
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