アプリケーション雑感

 

第6章・Opera

2002/04/07

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 最初にも書いたが、筆者のメインブラウザ遍歴は、IE3→ネスケ4→IE5→IE6、という流れだった。一旦ネスケに走ったのは、当時の使用していたNEC製のパソコンにIE4を入れるとまずいらしい、という情報によるものと、IEよりネスケのほうが安全らしい、という漠然とした情報によるものだった。
 それを、5.0のリリースを機にIEに戻したのは、NECのパソコンでもIE5は問題なく動く、という情報を入手したのが最大の原因である。その前提としては、ネスケ4のJAVAの起動の遅さと、IE専用のサイトが多く、ネスケ4では正確に表示されないページが増えたことに辟易した、というものがあった。
 そのため、世間の流れにあわせてIE派に戻ったわけである。その後、ネスケ6も出たが、色々と利用勝手がよくない上に、インストール時に余計なものをくっつけて入れるのが嫌で、使う気はおきなかった。
 しかし、Webページを見れば感染するワーム「nimda」の登場により、IEの使用について、再考せざるを得なくなった。毎日のように発表される、マイクロソフトからのセキュリティ情報をもとに、せっせと修正パッチをあてていたが、それでも不安は消えない。仕方がないので、「インターネットゾーン」のセキュリティレベルを一番高くして対処したが、おかげで本来の意図通りに表示されないページが続出し、たびごとに「信頼済みサイト」への追加をする、という作業をおこなう手間が生じた。

 IEは不安だがネスケも嫌、と悩んでいたときに、何かのニュースで、Opera(オペラ)が、日本語でも使えるようになった、という情報を得た。北欧で作られたIEでもネスケでもない「第三のブラウザ・Opera」の名前は、前から知ってはいた。しかしながら、日本語には対応していない、という事だったので、特に調べもしていなかった。
 それが、いつの間にか日本語の表示はもちろん、日本語化のソフトまでできている、というのだから驚いた。右上に広告が表示されるものの、とりあえず無料で使えるとのこと。そこで早速ダウンロードした。

 最初は使い勝手が分からず、四苦八苦したが、数日もせずに、普通に使えるようになった。とりあえず感激したのは、デフォルトでGoogleの検索窓がついていることだった。もちろん、Google提供のツールバーほどの機能はないが、何もせずに使えるのが嬉しい。
 さらに有難かったのは、各種設定の変更である。IEにしろネスケにしろ、まず「ツール(編集)」から設定画面を呼び出して、そこの多数の見出しから必要な機能を選択して、設定変更をしなければならない。それが、Operaだと、「ファイル」→「クイック設定」で表示される各項目をチェックするだけでよく使う設定が変えられるのだ。うっとおしい「Java scriptによる小窓表示」をやめさせるのも、この操作ですぐできる。
 他の設定も非常に簡単だ。たとえば、HTMLのソース表示を秀丸にやらせるのも、設定画面を出して、ソースを表示させるアプリを参照させればすむ。これがIEだと、フリーソフトをDLし、一旦セーフモードで再起動してインストール作業をする、という十倍以上の手間がかかる。
 設定以外にも優れた点は多い。特にすごいのが「マウスによる操作メニューの充実」である。これを使えば「戻る」「進む」「ウインドウを閉じる」「新たなウインドウを開く」などが、すべてマウスボタンの操作とマウスの移動だけでできるのだ。特に「戻る」「進む」はボタンを2回押すだけ。あまりの便利さに、他のブラウザを使うときも、ついOpera流の操作をしてしまうクセがついてしまった。

 もちろん、IEと違い、セキュリティホールが問題になったり、パッチを当て続けねばならない、などという事もない。IEの0.1%程度の利用者しかいないブラウザのセキュリティーホールを衝くクラッカーなど当分は出現しそうにないから、安心して使うことができる。
 こうして、ごく一部のIEに最適化されたサイトを利用する時以外は、Operaばかり使うようになった。約3年前に書いたことがやっと実現したと言えるだろう。というわけで、今年に入ってからは機能面でも安全面でもこれまでより数段優れた環境でWebを利用している。
 なお、国内販売が行われたのを機に、3,800円(現在はもう少し高い)払ってライセンスを購入し、広告表示を消した。広告表示がうっとおしくて消したい、というよりもむしろ、「Operaの正式ユーザーになりたい」というのが購入の原因であった。

※追記(2002年6月)・その後、Operaのセキュリティホールが発見されたが、Opera社並びに日本の販売会社の対応は非常によろしくなかった。というわけで現在でもメインブラウザとして使ってはいるが、当時に比べると相当評価は落ちている。
※追記その2・2005年9月に、PC用のOperaは無料化された。
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