花見川区最東端にある奇妙な町

2021/1/3

 花見川区の最北端は、前回紹介した横戸町である(ただし、この記事で紹介した地点は現在は八千代市に編入されており、現在の最北端は20mほど南になった)
 また、最西端は、京葉道路幕張インターと国道14号が交差する地点で、筆者の自宅がある幕張本郷にある。
 そして、最南端は同じく国道14号の千葉西警察署交差点の中にある。このすぐそこに筆者の職場がある。町名は検見川だ。
 というわけで、最西端と最南端は日頃よく知っている場所である。
 それに対し、最東端は、まったくもって縁もゆかりもない所である。
 最北端については、6年前に到達する前にも、京成本線に乗って成田にやユーカリが丘に行く際に、何度もすぐ近くを通っていた。
 一方、最東端は東関東自動車道のすぐ近くにある。しかし、花見川区民になってから、その場所の近くを通ったのは、6年前に自動車学校の高速教習で通ったときが初めてだった。
 その後、一度だけこの東関東自動車道を運転したが、この地点を通ったのはその2回だけだ。
 しかしある時期から、せっかく北端(当時)に到達し、さらに西端の町に住み、南端のすぐそこで働いているのだから、東端にも行かねば、と思うようになった。
 ちなみに、公共交通機関を使うと、自宅から最北端までは30分弱だ。しかし、最東端だと1時間近くかかる。
 しかも、電車とバスを乗り継ぎ、さらにバス停から10分歩く、という場所だ。しかしながら、2020年秋に自家用車を取得したため、東端への到達が大幅に楽になったので挑むことにした。

 ところで、その東端を有する町は「宇那谷町」というのだが、これは非常に奇妙な形をしている。

 中心部は500m四方の企業と畑が入り混じった場所だ。そこからそれぞれ幅100mに満たない細長い地域が東・南・西北に伸びている。
 地図で見ると、せなけいこさんの「ねないこだれだ」に出てくる「おばけ」が右手を頭の上にあげた、という感じになっている。
 特に、「左手」にある部分は、左右を四街道市に挟まれた、幅100mに満たない農地が1km以上も続いている。「四街道市に食い込んでいる」という感じだ。
 その最先端あたりに「花見川区の最東端」が位置している。
 ちなみにこの地点から四街道市役所まではバスで20分で行ける。一方、花見川区役所までは電車とバスを乗り継いで1時間10分かかる。

 その最東端に行ってみることにした。
 休みの日、ちょっと職場で用事があり、それをこなして花見川区最南端がある交差点を左折して稲毛区に入る。
 そこから国道16号線に入り、セブンイレブン大日町南店のある交差点を右折し、しばらく大日町を走ると、宇那谷町に着いた。
 しかし、この部分は「ねないこだれだ」で言えば、おばけの足(?)にあたる部分である。
 そこを横断するので、30秒ほど走ったら、宇那谷町を抜け、四街道市に入った。
 そのまましばらく進むと、東関東自動車道が見えてくる、しばらくそれに沿って走ると、予め目印にしていたF社の看板が見えてきた。
 この会社自体は四街道市にあるが、その前の道から東西数十メートルの区間は花見川区宇那谷町で、そこに花見川区の東端がある。
 会社の前の道でいったん車を降りると、巨大な石碑があった。

 「宇那谷根花土地改良事業 共同施工 竣工記念費」という文字とともに、当時の県知事の名前が彫られている。1983年に建てられたものとのことだ。
 事業の名前で検索したら、「小規模排水事業」となっていた。近くを流れる勝田川の改良事業のようだ。
 そして、改めて宇那谷町の地図をよく見た。すると、先述した「両腕」と「足」の部分には、いずれも川が流れていた。
 この宇那谷町の奇妙な形と、川と、この事業に何か関係があるのかもしれない、などと思ったりもした。
 なお、石碑の表側は38年経った今もきれいだが、協力者の名前などが彫られている裏側は劣化しており、名前もほとんど見ることができなかった。

 石碑の向こうに、細い道がある。これが、花見川区最東端へ向かう道だ。
 その道を進んで左折しようとしたら車止めがあった。しかたないので、そこで車を降り、歩いて最東端に向かう。
 その「歩行者専用道路」は舗装はされていたが、落ち葉で半分埋もれていた。また、周囲は、不法投棄された家電製品などが多々転がっていた。
 まあ、千葉市の場合、市のはずれだろうが、中心部のバス通り沿いだろうが様々な所で不法投棄を見かける。そのため、見ても驚きはしなかったが、やはり不快感はあった。
 最東端とおぼしきには、樹が生えていた。

 これで、念願の(?)花見川区東西南北端の到達を達成できた。
 帰りはせっかくだから、大回りになるが、花見川区を出ずに帰宅することにした。
 まず、宇那谷町の「左手」部分の細い道を北上する。
 車窓左の四街道市の部分は大きな工場が多いが、右側の花見川区部分は農地がほとんどだ。
 全体的にこの地域一帯は、このように工場と農地が混在している。
 そのうち、広い通りに出る。しばらく走ると、左手に住宅密集地が現れた。
 ここは「み春野」という、今世紀はじめに造成された地域だ。
 家は一千戸近くあるが、スーパーはなく、町外れにあるローソンが唯一の商業施設である。
 週に一回、イオンの販売車が来るそうだが、買い物は大変だろうな、などと思った。
 続いて大日町に入る。四街道市にも「大日町」は存在している。元は一つの町だったのだろう。その間に宇那谷町が入り込んでいる感じだ。
 そこから、国道16号を渡って、三角町・千種町・犢橋町・天戸町・長作町・武石町を経て、武石インターから京葉道路に入った。
 高速で幕張町を抜け、幕張本郷にある幕張インターで降りる。先述したように、このあたりに、花見川区の最西端が存在する。
 最東端から最西端まで一気に移動した事に満足しつつ、そこから通い慣れた道を通って、自宅に帰った。

 というわけで、花見川区の東西南北端に到達することができた。
 花見川区を極めた以上、次の目標は千葉市である。北端は花見川区と同じなので到達済みだ。西端はイオン城からちょっと行ったところの海岸となっていて、自宅からそう遠いところではない。
 一方、南端は緑区小山町にある、茂原北インター近くの交差点である。また、東端も同じく緑区で小食土町というところの、大網駅近くにある飛び地だ。
 2017年にとある仕事が入ったため、千葉市全域を駆け回ったが、この二つの町には行かなかった。
 それくらい縁のないところだが、ぜひともこの南端・東端にも到達したいものである。