ソフトウェアの著作権に関すること
 
1・著作権違反に関する概況
1999/12/19

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 パソコンを使う事にもマイナス面もいろいろ存在する。よく言われるのは電磁波による健康障害とモニタを見つづける事による視力障害だろう。この二つはよく言われているが、あまり表面化されない問題がある。それが表題の著作権に関するものだ。
 当然のことだが、パソコンのソフトは、専門的知識がなくても簡単に著作権に反した使用ができる。ただ単にそのソフトの入ったCD-ROMを他人に貸してインストールさせれば、それだけで著作権違反の不法コピーのできあがりなのだ。おそらく、この行為を行っている人のほとんどが、違法行為をしている、という自覚すら持っていないだろう。
 その理由として、この「CD-ROMを貸し借りする」というのが、本や音楽CDを貸し借りするのと同じ感覚でできるからだろう。買った本が面白かったので、「これ面白いよ、読んでみない?」と知人に貸す、などというのは日常茶飯事である。そしてもちろんこれは違法行為ではない。
 ところが、同じ感覚で「このソフト使い勝手が良かったよ、使ってみない?」として有料のアプリケーションのCD-ROMを貸してインストールさせるのは立派な違法行為である。加えて言うと、自分が購入したシェアウェアのパスワードを利用して、そのシェアウェアを他人のパソコンにインストールしたうえに、自分のパスワードで登録手続きするのも違法行為である。
 このような行為をする人は二種類に分類される。まず、自分が犯罪行為を行っているという自覚を持っている人である。こういう人は、身近な人のみを対象にしていない。アングラサイトなどを立ち上げて、ソフトの不法販売まで手がけたりする。これがバレて逮捕されるケースは、たびたび報道されているので、ご存知の方も多いだろう。
 もう一つは、違法行為だという事はおぼろげに自覚しているのだが、「まあ、身内の間だけだし、バレるわけないし、報酬を要求しているわけでもないからいいや」というタイプである。
 この両者を比較すると、前者は空き巣に入って盗んだものに値段をつけて売りさばいている人、後者は野菜の無人販売所に置いてあった野菜を失敬して他人にも配る人、といったところだろう。
 一見すると、後者は前者に比べて罪がないように思える。しかし、実は有害性という意味では、前者と後者はほぼ同格である。加えて、後者には伝染性があり、無意識のうちに違法行為を助長してしまうのだ。他にもいろいろと悪影響が存在するのである。

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