若気のいたりちゃん(高田理美さん)

2000/03/06

掲載・まんがハイム(1990年台半ば)
 「無法地帯ウルトラA」の恩田郁さんが、ペンネームを変えて始めた一般四コマ最初の作品。
 別に「若気野 至」などというキャラがいるわけではなく、一本ごとにキャラを作ってギャグを作るという、労力の要る作品となっている。
 野球四コマ時代からの独特の視点とセンスによるギャグは、より一層磨きがかかった。「野球」という枠組みがなくなったため、より奔放にいろいろな事をネタにしている。
 特に印象に残っているのは、「座敷獅子」という題の以下の作品である。
 最初の三コマはどこにでもある家庭の一日で主婦が家事をこなしている。しかし、どのコマにもなぜかライオンが座っているのだ。そして四コマ目で主婦が呆れたように「だから、何なのよあんたは?」と尋ねる。するとそのライオンは「おはようからおやすみまで、暮らしを見つめるライオンです」と答える。

 他にも、「失恋して、心を閉ざしながらも、夏の暑さには文句をいう少女」とか、「エリート家族を見かけた子供が『あ、天才一家だ!』と言い、それを聞いた周りの人々が心の中で『バーカ、ボンボン』と続ける」などといった、独特のセンスによるギャグが多数あった。
 しかし、出版社の都合で雑誌そのものが休刊になってしまい、当然ながら作品も終わってしまった。
 その後、作者の高田さんは女子中高生などを主役にした四コマで相変わらず独特のセンスを発揮し、このたび、ついに芳文社より初の単行本「聖ポーリア学園」が出版されている。



「心に残った名作」

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