流星課長(しりあがり寿 氏)

2003/03/17

掲載・1984年発行の週刊少年サンデー 創刊25周年記念増刊号
 京王線の帰宅ラッシュの新宿駅で繰り広げられる戦いを主題にした作品。主人公の「流星課長」はどんな混んでいる日でも必ず特急電車の席を取ることが出来る技量の持ち主。席を座るためなら、つり革を伝って空中を飛ぶこともいとわない。それに対し、「自動ドアのマリア」という女席取り名人が戦いを挑む、というストーリーになっている。
 「自動ドアのマリア」とは、座っている男の前で尻を振ると、男たちが彼女のために左右に分かれて席をあける所から名づけられた。もちろん、通常の席取りの技量も一級品である。
 前から流星課長の面影に見覚えがあった彼女は、ある日偶然、課長がロンドンブーツを履いている事に気づく。その事から流星課長がかつてグラムロック界に咲いた仇花「マリリン伝次郎」であることに気づく。ちなみに「マリリン伝次郎」は、ボーイ=ジョージみたいな感じの厚化粧で、どこにでもいそうなサラリーマンである流星課長とは似ても似つかない。
 課長はその場では否定するが、帰宅後ひそかに家で「マリリン伝次郎」のメイクをしたりして懐かしがっている。そして決戦の日、激戦の末、流星課長の勝利に終わる。敗れたマリアは敗北を認めながらも昔の曲が好きだった事を話す。すると課長は「マリリン伝次郎はもういない。しかし、なぜかここに特別チケットがある」(←このへんの台詞、記憶に自信なし)と言って唄い始める。そして「自動ドアのマリア」をはじめ、車内の皆も踊りまり、話は終わる。
 ちなみにそのとき流星課長が歌ったのは「戸袋に気をつけろBaby!はさまれちゃったらおしまいだぜAll Night!」とかいう内容の曲だった。どのへんがグラムロックなのかよくわからない。
 通常のギャグと不条理系の境目みたいな話だったが、当時中学生だった筆者にとって不思議にも記憶に焼きついていた。ちなみに5年後に「週刊少年サンデー創刊30周年記念増刊号」が出たときに、5年ぶりに続編「流星次長」が描かれ、ハシラには「前回(週刊少年サンデー 創刊25周年記念増刊号)までのあらすじ」として「流星課長」のあらすじが書かれていた。


「心に残った名作ーギャグ・コメディ」

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