お天気KIDS
- (高田理美さん)
- 2008/3/19
- 掲載・1990年代後半のまんがタイムスペシャル
独特の絵柄とセンスを持つ、高田理美(旧名−高田さとみ・恩田郁)さんが、創刊間もない、まんがタイムスペシャルに連載した作品。比較的可愛い絵の作品が多い中、単純な絵柄はやや異彩を放っていた。しかし、そのギャグと、独特のキャラ作りのおかげで、かなりの人気を誇り、一時期は、巻末カラーに定着していた時期もあった。
元々、無法地帯ウルトラAの頃からファンだったので、連載当初から愛読していたが、そんな中でも、特に忘れられないネタが二つあるので、紹介したい。
一つは、サルモネラ菌による食中毒が発生した、というネタだった。「サルモネラ」という奇妙な言葉を聞いていろいろ考えた一人が、「サルもネラの樹から落ちる」と言い、もう一人に「ネラの樹って・・・」と突っ込まれる話だ。文章だけで面白さを説明するのは難しいのだが、この「格言」はいまでも記憶に残っている。
もう一つは、演劇部の練習、というネタだ。片方が「庭にブーゲンビリアが咲いていますわよ」と言う。すると、もう一人が、「まあ、ロッテの助っ人外人?」とボケて、それに対し、「それはインカビリアですわ」と返される、というネタだ。
このインカビリアという選手は、1995年の第一期バレンタイン政権の時に来日した、「デビューからずっとメジャー」というエリートだった。しかし、バレンタイン監督が連れてきた外国人としては珍しく、日本野球に全然なじめず、アメリカでもなかった「二軍落ち」をした挙げ句、一年で解雇になった、という、地元ファンとマニアしか知らないような選手である。
当然ながら、一般向け四コマ誌である、まんがタイムスペシャルの読者のほとんどは、その存在は知らなかっただろう。にも関わらず、そのようなネタをやった事および、最後の三文字以外に共通点のない「ブーゲンビリア」と「インカビリア」をひっかけた事は、いまだに強く記憶に残っている。
なお、作者は現在、商業誌連載がないようだ。最後の連載となった「楽々OL24時」も、独自のギャグセンスは健在だったので、残念でならない。
ただ、高田理美の4コマブログ*自画自賛*では、更新頻度は低いものの、たまに新作が発表されている。