のりピーちゃん(さかいのりこ さん)

2001/12/03

掲載・80年代末の小学館発行の少女漫画雑誌
 酒井法子さんというアイドルがいて、「のりピー語」なる変わった話し方をする、というのは何となく知ってはいた。アイドルには関心がないので、それ以上の事は何も分からなかった。また、どこかの雑誌に漫画の連載を始めたという話を聞いたが、本人に興味がなかったため、当然漫画にも興味を持たなかった。
 ところが、ある時、当時愛読していた「やくみつる」氏が「アイドルの余興だと思ってバカにしていたが、読んでみたら面白かった」とコメントしていた。若い人の漫画をまず誉めない氏がそこまで言うのだから、よほどのものだろうと思って読んでみた。
 すると、確かにそのセンスは非凡なものが少なからずあった。ヒロイン(?)の「のりピーちゃん」は楕円の中にてテンで目・鼻・口を描き、同じく楕円の胴体に線で手足が描いてある、というきわめてシンプルなキャラである。にもかかわらず、とても表情が豊かなのだ。喜んだり驚いたり甘えたりをとても上手く表現している。
 漫画の中のセンスも非凡なものを感じた。特に印象に残っているのは親に怒られた時の会話、親「反省の色は!?」のりピーちゃん「青」。文字で書いてもピンとこないかもしれないが、独特の絵がまたあっていて、不思議な面白さを醸し出していた。
 ところで、この作品は小学館の少女雑誌に連載されていたのだが、ある時からなぜか少年マガジンの増刊号で題名だけ変えて同じキャラ・形態で連載されていた。「小学館の少女誌→講談社の少年誌」というトレードはなかなか珍しいのではなかろうか。


「心に残った名作」

「漫画資料室」に戻る

トップページに戻る