ミスター味皇(嵐馬破天荒氏)

2001/02/26

ファンロード1988年9月号
 異色の料理漫画「ミスター味っ子」のパロディ。題名の「味皇」とは、原作に出てくる美食界の泰斗みたいな人で、アニメでは美味しさの表現として、巨大化して大阪城を壊したらしい。そのへんを元にパロディの主役(?)となった。
 話はこのテの漫画の定番の「料理味比べ」で、題目はカレー。問題はその具である。なんとカビたみかん・南部せんべい・大師名物ダルマサブレー(笑)・死んだネコなのだ。
 具を見た瞬間に当然驚く味皇。一方、ライバルの一馬は「あんなもんでカレーができるんか、まさか。しかし陽一にはそのまさかがあるんや」、とありがちなセリフを言い、観ギャラリーに「ねえよ!」と突っ込まれる。一方で陽一の母は「母さん全然わからないわよ」と驚くのみ。
 自信たっぷりに料理を始める陽一。一方、一馬は目にも止まらぬ速さで素材を切る技(名前は忘れた)で対抗するが、ギャラリーに今度は「確かにすごいが何の役にも立っていない、普通にやれ!」と核心を突かれてしまう。
 それをしりめに、陽一は料理を進める、「これがオレの工夫!」と言って動いているミドリガメをカレーに入れるのだ。それを見て味皇は「まずそうだ!わしゃ味皇やめたいよ」と恐怖するが、母親は相変わらず「母さん全然わからないわよ」と驚くのみ。
 ほぼ完成となったカレーを見て恐れおののく味皇。そのとき陽一が「ちょっと待って」と言い、一瞬ホッとするが、そこでトドメが炸裂する「オレのカレーには仕上げにこの変な虫を入れるのさ!」
 半ば強制的に完成品「日の出カレー」を食べさせられた味皇は、まずさを具現するために巨大化して光線を吐いてしまった、というところで話は終わり。母親のセリフは最後も「母さん全然わかんないわよ」だった。
 余談だが、それからしばらくたった週刊少年マガジンで作者たちの自己パロの四コマ企画みたいなのがあり、「ミスター味っ子」の作者は同様の題名の作品を発表していた。もちろん、こちらのほうは、題名以外は筆者の記憶には残っていない。  


「心に残った名作」

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