いわゆる心霊モノ漫画。特色としては、主人公が守護霊と合体変身して筋骨隆々とした不動明王になり、悪霊をブチ殺すところだろうか。
当初はほとんど読み飛ばしていたのだが、主人公の母と弟が新興宗教団体の教祖として出てくるあたりから、そのわけのわからん設定に関心を持つようになった。
どうも母と弟は胡散臭い。そこで、弟の正体を霊視する主人公。しかし、弟はなんと大天使ミカエルの生まれ変わり(?)だった。正義の霊が憑いているにも関わらず、不気味な活動を続ける弟に主人公は悩む。
実は、弟は確かにミカエルなのだが、そのミカエルに悪魔ルシフェルが取り憑いて操っていたのだった。大天使にしては情けなさ過ぎる設定である。なんでも、弟は大天使ミカエルの本体でなく分体(孫悟空の毛が変身した小さい孫悟空みたいなものか?)だったので、力不足のため、ルシフェルに憑かれてしまったのだそうだ。
しかし、分体がそんな非常事態になっているのだから、本体もなんとかしろよ、という感じである。そんな事なら、最初から分体なんぞを設定しないほうが話は早いと思うが。
とりあえず、苦心の末、ルシフェルを倒す主人公。しかし実はこれは囮だった。彼らがルシフェルとの戦いに気を取られている間に、悪の本体は日本(地球だったか)を征服。我らが世界は悪霊の支配下におかれたのである。
その世界はなぜか「199X年、地球は核の炎に包まれた(中略)だが人類は絶滅していなかった」状態。ご丁寧にも悪霊の下で働く奴は、モヒカン刈りに鋲つきジャケットという、「北斗の拳」の悪人風なのだ。
以前にも、「現代版必殺仕事人」漫画だった「ブラックエンジェルズ」が、いきなり「世紀末救世主超能力戦争」に変身した例があった。しかし、除霊漫画でそれをやるとは、と新展開になった時はかなり驚いた。だいたい、この展開だと、主人公のこれまでの戦いは全然役に立っていない。
しかも、苦労して倒したと思ったルシフェルも実は死んだわけではなかった。悪の首領の前に再登場するのだ。その話が載った時はトビラが見開きだった。一面に大きくルシフェルが登場するわけだ。当然、アオリもあり、見開きの右ページには「死んだはずの・・・」、左ページには「あの男が蘇った」とある。
それはいいのだが、なぜかこの回、作者名が見開きページの真中に配置されているのだ。そのため、普通に読むと「死んだはずの・・・菊池としを」と読めてしまう。
このアオリはなかなか強烈だった。漫画家についたフレーズのなかでも、これほどまでにかっこいいものはそうそうないだろう。おかげで、本来なら覚えるべくもなかったこの漫画の作者名が、「死んだはずの」のフレーズとともに頭に焼き付いてしまった。
しかし、この漫画はその後しばらくして、増刊だか別冊だかに飛ばされてしまった(と思う。筆者が読むのをやめただけかもしれないが)。したがって、世紀末救世主伝説になったあと、どうなったかは全くもって記憶にない。
ちなみに先日、漫画喫茶に全巻揃っていたので、最終回だけ見たら、「アンチファンの生霊に悩まされるクリスチャンの外国人力士に、日本神道にのっとた四股を教えて生霊を祓う」などという、変身も悪魔も出てこないようなよくわからん話で終わっていた。
ちなみに、ネットでこの作者名を検索すると、宗教団体「幸福の科学」の漫画をよく描いていることがわかった。750ライダーの作者が創価学会漫画を描いているのを知った時はちょっと驚いたが、この人の場合は全然違和感がなかった。
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