男坂

車田正美氏

2001/06/30

1980年代半ばの週刊少年ジャンプ
   「リングにかけろ」「風魔の小次郎」とヒット作を連発した作者が「デビューした時から暖めていた構想10年」とブチ上げて連載を開始した作品。
 しかし、人気は出ずにあっさりと打ち切りに。最終話の最終ページは見開きで主人公が「俺は、まだ登り始めたばかりだからな。この果てしない男坂を」と言いながら天空(あの世?)へ向かう坂を登り、大きく未完という文字が出てくるのだ。このシーンだけは筆者のみならず、当時の多くの読者の心に焼き付いている。
 この「未完」に、作者の無念さが伝わってくるのだが、残念ながら、とにかく「喧嘩での日本(世界?)統一」という目的意識は伝わってくるものの、主人公を筆頭に出るキャラ出るキャラ皆が面白いくらいに個性がなかった。
 主人公は「とにかく強くなって喧嘩して勝つ」というだけ、その親友的キャラも「とにかく主人公についていく」というだけだった。他のキャラも同様で、とにかく「自分」というものがなかった。せめて独自の名称のある必殺パンチや特殊な能力のある木刀でも持てば、少しは「キャラが立った」かもしれなかったが・・・。
 打ち切りが決まった終盤は、ものすごい勢いで話をはしょってしまい、数コマで東北地区の13人の番長(死語)を制圧してしまうのだが、その際に釜石の番長をやっつけるシーンに「釜石みかん」という段ボールが置いてあり、それに対し岩手の人から「釜石ではみかんは生産しません」という突っ込みが入った事が、「未完」の文字の次くらいになぜか妙に記憶に残っている。
 あと、しょうもない突っ込みだが、未完の場面で主人公が登る「男坂」は傾斜がゆるいのだが、一般的には「男坂」とは、隣接して存在する二つの坂のうちの傾斜のきついほうに名づけられる。


「心に残るヘンな作品」

「漫画資料室」に戻る

トップページに戻る