当初、この作品は「受験」を主題として始まった。別に主人公が彼女と同じ学校に行くために頑張るわけではない。とにかく受験をするのだ。しかも毎月異なる敵が現れ、「次回の○○模擬試験で勝負だ!」などとやり、主人公が驚異の必殺技などを使ってその敵を倒すのだ。
必殺技の多くはより早く解答を記入するものなのだが、はたから見ると、「たしかにすごいが何の役にも立っていない、普通にやれ!」といったものだった。それぞれの戦いが趣深いが、「ボンボンのライバルとの戦いで、敵の差し向けた不良学生に負傷させられながらも模試の会場に向かう主人公。圧倒的に不利な状況で、彼はボンボンの鉛筆を落として折る、自分で鉛筆を削れないボンボンは敗れ去る」という話が、特に筆者の心に残っている。
とはいえ、ここまでならちょっと毛色の変わった児童漫画でしかない。この作品のものすごい所は、ある回から突然、ボクシング漫画に全面改装されてしまうのだ。
しかもその転換は極めて唐突だ。話の冒頭、ある朝主人公が目を覚ますと、母親や進学塾の塾長らが「実は貴方様は一子相伝のボクシングの家の継承者だったのです」などと言うのだ。しかも進学塾にいた「よきライバル」も同様に、実は主人公の宿命のライバルの一族の後継者だったりするのである。
しかも、そのライバルとの試合において、受験漫画時代の必殺技を応用したパンチを放って勝ったりするのだ。どうやら主人公は意識していなかったが、受験勉強はボクシングの修行の一環だったようである。
話の途中で設定などが大幅に変わることはたまにあるが、ここまで驚異的なのは他にはないだろう。
もっとも、筆者のこの作品以降に見たこの作者の漫画はいずれもギャグであった。もしかしたら、この作品も熱血モノのフリをしたギャグ漫画のつもりで作者は描いていたのかもしれない。
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