青拳狼(せいけんウルフ)
(原作−きむらはじめ氏・作画−池上遼一氏 )

2001/04/19

1980年代半ば、「北斗の拳」大ブーム時代の週刊少年サンデー
   「北斗の拳」のインパクトはあまりにも強烈であった。終了して10年近くたった今でも、原哲夫氏のサイトのトップはケンシロウである。
 他の作家たちに与える影響も大きく、あらゆるキャラが「新悲鳴」を発するようになった。同じジャンプで連載中の漫画にも、それまで「現代版必殺仕事人」だったのが、いきなり大地震が起きて「世紀末の暴力社会の超能力戦争漫画」になってしまったものもあった。
 そのような状況の中で元ライバル誌である週刊少年サンデーで連載が始まったのがこの作品である。作画は現在も活躍中の劇画の大家であり、原作者もそこそこ実績がある人だったと思う。
 主人公は狼の動きをもとにした「青狼拳」の使い手で、全国規模で勢力を拡大しつつある謎の番長グループと戦う。冷たくかつ圧倒的な口のセリフをはなち、そして言葉通りの実力でどんな相手も完膚なきまでにたたきのめす。
 もちろん胸に七つの傷はなく、体型も筋骨隆々ではなくスラッとしているが、それでも「北斗の拳」の影響が思い切り出ている。
 最初は各校の悪人を倒していたが、やがて番長連合がクーデターを起こそうとし、実はそれは国際的大企業の謀略で、番長連合のボスも捨て駒として扱われる、など話の流れはだんだんと「北斗の拳」から離れていった。それとともに筆者のこの作品への興味も薄れ、そのためどのように終わったかは例のごとく記憶にない。
 それにしても、元祖である「北斗の拳」のほうに、「狼の動きを取り入れた『群狼拳』」を使う悪党が既に出ていたのに、「狼の動きを取り入れた拳法を使う主人公」はないだろう、というのがこの作品に対する最大の感想である。
 あと、どうでもいい事だが、真の悪である国際的大企業の名前は、当時我が家で使っていた粉石けんのブランドと同じだった。このことも無意味に心の中に焼きついている。
 やはりいくら大ブームの漫画といっても節操なくパクるのは、作者に実績があるだけによけい「なんだかなー」と思ってしまう。そこまで「北斗の拳」が描きたかったら名前を変えてファンロードにでも投稿すれば、むしろ株が上がったと思うのだが。


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