一見するとボクシング漫画のようだ。しかし、この作品の真の主題は「人間、どこまで悲惨な目にあえるか」であるに違いない。
主人公・高樹リョウ(←漢字忘れた)ことB.B.は能力はあるが目標はない、それがある日、天才ボクサー森山仁とのケンカに敗れた事により、ボクシングを始める…。
と、序盤はこのような学園スポーツ系みたいな話だった。しかし、高校ボクシングの県大会で、卑劣な手段により森山が敗れた事から話は怒涛の急展開を見せる。
怒りのあまりに卑劣な選手の控室に乱入したB.B.は、その選手を殴り殺してしまうのだ。しかもそのまま警察に出頭でもしていれば、運よければ正当防衛、最悪でも一年くらいの少年院ですんだものを、何をトチ狂ったのか、かつての仲間の手引きでアメリカに密航してしまう。さらにアメリカの闇ボクシングでのし上がろうとするが、そこでも結局トラブってしまう。しかも現地で知り合ったトレーナーが実は傭兵だった関係で、傭兵部隊に入ってしまうのだ。さらに傭兵になったらなったらで、記憶喪失になってソ連軍に捕らえられ、洗脳されてしまうのである。
常識では考えられないような不運に見舞われたB.B.だが、不運は本人だけにとどまらない。洗脳が解けて傭兵部隊に復帰し、やっとボクサーの道に進めるようになったB.B.が久しぶりに日本に帰ろうとしたところ、なんと娘と二人で彼を待っていた彼女がいきなり車に轢かれて死んでしまうのである。もちろん、彼女の死はストーリー上なくてはならないものではない。ただ単にB.B.の悲惨さを浮きぼりにしただけである。
とまあ作者から前代未聞のいじめを受けた主人公だが、最後は全世界の注目する中、宿敵・森山仁との世界タイトル戦を行って、メデタシメデタシとなる。しかし筆者は毎週サンデーを読んでいたにもかかわらず、このクライマックスの試合の内容や結果などは一切記憶にない。その代わりに、B.B.がたどった「悲惨の見本市」みたいな人生は鮮明に記憶に焼き付いているのである。
なお、作者はこの世界がよほど気に入ったのか、B.B.の娘を主人公にしたテニス漫画「LOVE」という漫画も書いていた。
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