750(ナナハン)ライダー(石井いさみ氏)

2001/10/08

掲載・1976年から85年の週刊少年チャンピオン
 その題名の通り、バイク漫画。10年の長期連載の間に主題が抜本的に変わった作品。
 第一話に出てきた主人公は、やけに暗い目をしていた。詳しくはよく覚えていないのだが、大型バイク(750=ナナハン)で通学してきて、これまた目つきの悪い生活指導教師につかまる。そして何らかの校則違反が適用されて750は没収。しかもなぜかその教師はその750に乗って帰宅するのだ。
 子分みたいな奴に「あんなことさせていいんですかい」みたいな事を言われる主人公。しかし彼は、750の重要な部品を見せ、「これをあらかじめ抜き取っておいた。今ごろは・・・」と暗く笑う。そして次のコマでは救急車のサイレン音が聞こえてくる。
 没収したバイクを私用に使う教師に、それを予測した上で「復讐」の段取りを組む主人公。しかも、題名にもなった愛車「750」をその程度の理由で自らぶっ壊してしまうのだ。
 それ以外の話はよく覚えていないのだが、バイク漫画らしく、暴走族とバトルを繰り広げていたような記憶がなんとなくある。

 しかし、それから数年後のチャンピオンを読むと、題名とキャラの名前は同じだったが、内容は全く別のものに変遷していた。
 なんかみんな明るい目をしてホノボノとラブコメみたいな事をしている。第一話で救急車に乗ってしまった先生とも仲良くみんなで夏祭りなんかに行ってしまったりしているのだ。
 確かに主人公は相変わらず750に乗ってはいるのだが、それも単なる交通手段の一つ、みたいに扱われていたような感じになってしまった。別にある大事件が発生し、主人公の人生観が大きく変わったわけではないようだ。にもかかわらず、題名とキャラクターはそのままで、全然違う漫画になってしまったのだ。
 ちなみに、リイド社で抄録版を復刻し、その紹介もあるのだが、巻を追うごとに表紙・説明文が変化している。また、サブタイトルも第1集は「裂けた爆音」「危険な疾走」だったのが、終わりのほうでは「おちばの青春ゴール」「なにかいいこと初夏」となってしまっている。

 なお、作者は長編を得意としているようで、某宗教兼政治団体より「劇画・人間革命」なる漫画を50巻ほど出している。こちらは全く読んだことはないが、連載初期で理想に燃えていた若き宗教家が、話の後半では名誉や権力に固執したり出版妨害事件を起こすように人格が変わっていく、などという事はないようだ。

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