2011年06月24日

インタビューの基本ができていない記事

 ある新聞を読んでいたら、ドイツ人政治家のインタビューが載っていました。その新聞は、「ドイツは脱原発宣言をしているが、フランスの原発で作った電気を輸入するようになった。また、脱原発をすれば電気代が上がる」などと常日頃主張しています。
 しかし、その政治家はそれらの「疑念」に対し、具体的な数値を挙げてそれらの説が誤りである事を指摘していました。ちなみに、夏は水温が上昇するため、フランスはドイツから原発7基分の電力を輸入している、とのことでした。
 具体的なデータを挙げずに「輸入」「値上げ」などと書いている、その新聞に載っている記事とはえらい違いです。
 論破されて困ったらしく、その「インタビュー」の最後には、「脱原発で経済に悪影響を及ぼすという声もある」などという感じの文章で締められていました。
 「インタビュー記事」の文末を、本人が言った事と正反対の「主張」で締める、などという事はかなり非常識です。
 たとえて言うなら、スポーツ選手のインタビューで「自分はずっと国内でやっていく。海外に出る気はない」という本人の言葉の後に、「関係者の話によると、来年の海外移籍は決定的という説が有力である」と書いて、それで文章を締めているようなものです。
 自社の主張が最優先という考え方なのでしょうが、他人の話を紹介する最低限の常識すらわきまえていない、というのはいかがなものかと思いました。改めて、商業マスコミの劣化ぶりのひどさに呆れさせられました。

2011年06月24日 23:51